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NTTテクノクロスの「匿名加工情報作成ソフトウェア」、日付情報の価値を維持しながらデータを加工可能に

 NTTテクノクロス株式会社は、個人情報を匿名加工情報へ加工し、利活用できるようにする「匿名加工情報作成ソフトウェア」において、新版を5月27日から順次販売すると発表した。医療業界やマーケティングにおいて、個人情報の利活用を促進する新機能を搭載したという。

 「匿名加工情報作成ソフトウェア」は、企業などが独自のシステムで保有している個人情報を匿名加工情報へ加工し、利活用を可能にするソフトウェア製品。

 今回の新版では、履歴データを有効に利活用するために、日付の順序や期間など必要とするデータの価値を残したまま、日付をランダム化する加工技法を追加した。

 医療業界における新薬や医療機器などの開発には、患者の病状に関する情報として、病名のほか、入退院や投薬の日付といった情報が重要になるが、これらの日付に関する情報は、病名など具体的な情報と合わさって個人が特定される可能性があるという。

 そのため従来の加工技法では、日付の順序や期間といったデータ分析において重要とされる情報が削除され、結果として新薬や医療機器などの開発に活用できないなどの問題を抱えていたとのこと。しかし今回、これらに対応した日付を加工する技法により、安全性と有用性両方を考慮した加工を実現するとしている。

 また、加工したい個人情報の取り込み方法として、CSVファイルだけではなくデータベースにも対応する「データベース連携機能」と、さらにルール化した加工方法に従って自動的に匿名加工情報へと加工する「自動実行機能」を、上位版である「エンタープライズ版」に実装した。

 例えば、医療分野において、電子化されたカルテや明細書を一元的に管理しているシステムから匿名加工情報を作成しようとした場合、従来は作成の過程でユーザーの手によるCSVファイル形式でのデータ出力、加工実行が必要だったという。これに対し、新版に搭載されたデータベース連携機能を利用すると、人による仲介なしに動作させることが可能になり、個別開発を行わずにシステム間での連携を実現するとしている。

 またソフトウェアの自動実行機能では、ユーザーによる操作を必要とせず、匿名加工情報への加工が可能なため、ユーザーの負担を最小限に抑える形で、継続した加工の定期実行を実現したとのこと。

 製品は年間サブスクリプションライセンスで提供され、5ユーザーあたり価格(税別)は、スタンダード版が60万円から、エンタープライズ版が180万円から。それぞれ、5月27日、8月中旬の販売開始を予定している。