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NTTテクノクロスの匿名加工情報作成ソフト「tasokarena」、ローカルLLMを用いたマスキングツールを提供

生成AIを用いて、より高精度な個人情報の抽出が可能に

 NTTテクノクロス株式会社は、匿名加工情報作成ソフトウェア「tasokarena(タソカレナ)」のラインアップにおいて、生成AIを活用し、マスキング機能のさらなる精度向上を実現した「同 マスキングツール ローカルLLM版」を5月15日から提供開始すると発表した。

 「tasokarena」は、NTT社会情報研究所が開発した匿名化技術を活用して、パーソナルデータの特性や利用目的に応じた匿名加工情報の作成を支援するソフトウェア。パーソナルデータを加工して特定の個人を識別できないようにすることで、利用企業の新しいビジネスやサービスの創出を支援するという。

 今回、そのラインアップに追加された「マスキングツール ローカルLLM版」は、ローカルLLM(大規模言語モデル)を用いてマスキング対象の抽出向上を実現した製品。テキストマスキングにローカルLLMを活用しており、漢字、ひらがな、カタカナが混在する日本語の特性を考慮した文脈理解によって、個人情報の抽出率が向上した。

 NTTテクノクロスによれば、単純なルールベースのマスキングでは抽出が難しい、微妙なニュアンスや関連性を考慮して、住所の建物名などの個人情報をより高精度に特定できるため、抽出精度が最大25ポイント向上しているという。

 なお、こうした仕組みは企業のローカル環境にてオフラインで運用可能となっており、外部にデータは送信されないことから、機密情報の漏えいリスクを低減可能。従来版と同じく、インターネットに接続することなくマスキングを行える。

 「マスキングツール ローカルLLM版」の1ライセンスあたりの価格は、月額契約で7万円(最低3カ月から)、年額契約では60万円。いずれの場合も、5万円の初期費用が別途必要になる。

 NTTテクノクロスでは、想定される利用例として、コンタクトセンターにおいて、マスキングした顧客応対履歴を生成AIや分析ツール等で分析し、顧客満足度の向上や販売促進をするための施策を検討したり、生成AIサービス提供会社において、機械学習に必要な顧客データに含まれる個人情報をマスキングし、データを生成することで、プライバシーを保護しながらAIモデルのトレーニングを行ったり、といったものを挙げた。