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NTT ComとPwCコンサルティングが協業、デジタルマッチング基盤で製造業の受発注業務を支援

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)とPwCコンサルティング合同会社は27日、NTT Comが推進する製造業向けソリューション「Smart Factory」において、デジタル設計データとAIを活用したデジタルマッチングプラットフォーム(設計/調達DX)を展開すると発表した。2020年度中の商用化を目指し、7月より共同で実証実験を行うという。

 NTT Comでは、データ利活用に必要なすべての機能をワンストップで利用できるプラットフォーム「Smart Data Platform」を展開しているが、この基盤を利用し、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するソリューション「Smart Factory」を提供している。

 今回はその取り組みの中でPwCコンサルティングと協業し、1)設計から調達に係る業務効率を向上と、2)さまざまな企業がつながる場を提供し、受発注の関係性を最適にデザイン、といった2つを支援するための機能を開発するという。また、顧客の要望にあわせたカスタマイズにも対応するとのこと。

 まず1)におけるメーカー側(発注側)向けの具体的な機能としては、設計担当者向けに、部品発注に必要な仕様・補足情報をクラウド上で一元的に管理する機能や、類似部品解析AIを活用し、過去の設計データを類似部品ごとにカテゴライズして、設計データのカタログを自動生成する機能を提供する。

 さらに調達担当者向け機能として、発注予定の同一部品もしくは類似の部品を、3D図面データからAI形状クラスタリング技術を活用して判断する機能を提供。部品発注時の効率性向上を支援するとのこと。

 一方、サプライヤー側(受注側)となる部品加工業者向け機能も提供する。部品加工業者では、複数のメーカー(発注元)から受けた大量の見積もり対応が課題となっていることを受け、類似部品解析AIを活用して、見積もり依頼を受けた部品の3D設計データをもとに、過去の見積もり対応や受注した類似部品の検索機能を提供する。これにより、各担当者が行っている見積もり算出業務の効率化を支援できるとのことだ。

 2)では、従来の取引関係によらず、さまざまなメーカー/サプライヤーと柔軟に“つながる”機能を用意した。設計データと部品加工業者の製造リソース情報を活用したマッチング型のデジタルマーケットプレイスと、公開案件への見積もり回答など、一連の受発注業務を同サービス上で行う入札型のデジタルマーケットプレイスを提供。メーカーにおける設計調達業務の効率化や、サプライヤーの安定した受注、設備の有効活用に貢献するとアピールしている。