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オートメーション・エニウェア、統合プロセスディスカバリー製品「Discovery Bot」を発表

自動化できる業務プロセスを検出・最適化しBotを自動生成

 オートメーション・エニウェア・ジャパンは10日、業務プロセス全体の自動化をAIで支援する新たなテクノロジーとして、統合プロセスディスカバリーソリューション「Automation Anywhere Discovery Bot」(以下、Discovery Bot)を、今後グローバルで順次提供していくと発表した。

 同日には、「Discovery Bot」の開発背景や機能概要について、オンラインで説明会が行われた。

グローバルと日本のビジネス状況を説明

 説明会では、まず、米Automation Anywhere アジア太平洋地域担当上級副社長のエイドリアン・ジョーンズ氏が、グローバルのビジネス状況について、「近年、自動化とAIの導入が急速に進み、第5次産業革命が始まろうとしている。当社は、RPAとAIのグローバルリーダーとして、人と同じように働くことができる『デジタルワークフォース』で第5次産業革命をけん引していく。現在、当社のデジタルワークフォース製品の顧客は4000社を超えており、世界90か国で170万以上のBotが稼働している。今年中には、『拡張したワークフォース』を300万に増やし、世界最大の雇用者にすることを目指す」とした。

Automation Anywhere アジア太平洋地域担当上級副社長のエイドリアン・ジョーンズ氏

 日本およびアジア太平洋地域については、「2018年から2019年で売上高は300%成長し、従業員数は17人から400人まで拡大した。また、500社の新規顧客を獲得し、顧客数は700%増加した。中でも日本は、世界第2位の売上規模で、自動化へのニーズも高いため、当社にとって非常に重要な市場と位置付けている」と説明。

 加えて、「昨年は5月から日本語対応を行い、製品トレーニングや資料提供なども強化した。さらに東京オフィスを移転し、大阪、名古屋、福岡の4都市で活動している。今年は、日本のニーズに合わせた機能を開発するために、製品開発チームを東京オフィスに設置。IQ Botで日本語手書き文字に対応する製品開発などを進めていく」と、近況について述べた。

 今回発表した「Discovery Bot」は、従業員が業務アプリケーション上で行っている作業プロセス全体を分析し、RPAによるプロセス自動化の最適化とソフトウェアBotの開発を、AIを活用して支援するソリューション。
2019年10月に提供開始したクラウドネイティブなRPA-as-a-Serviceプラットフォーム「Automation Anywhere Enterprise A2019」(以下、Enterprise A2019)で稼働するものとなっている。

 オートメーション・エニウェア・ジャパン セールスエンジニアリング本部の由井希佳氏は、「当社が行った調査によると、自動化できる業務プロセスの80%が、まだ自動化の対象として認識されていないことがわかった。また、自動化する業務プロセスを理解・整理するために、多くの時間を要していることも明らかとなった」と前置き。

 「Discovery Bot」の開発背景について、「当社では昨年、定型業務を自動化するRPAと、AI/コグニティブ技術によるIQ Bot、高度なアナリティクスエンジンのBot Insightを組み合わせたデジタルワークフォースのプラットフォーム『Enterprise A2019』をリリースしたが、今回、これをベースに、自動化対象となる業務プロセスの検出から最適化、Botの自動生成までを行う『Discovery Bot』を開発した」と説明した。

オートメーション・エニウェア・ジャパン セールスエンジニアリング本部の由井希佳氏

 業務プロセスを改善するための定義や分析に利用される、プロセスディスカバリーと呼ばれるテクノロジーを基に開発されており、AIと機械学習を活用して、複数の業務アプリケーションを使用しながら行うプロセス全体をレコード(記録)し、繰り返し行われるプロセスのパターンを検出して分析する。

 分析の中では、自動化により最大の効果を得られるプロセスを特定し、ROI(費用対効果)の高さで優先順位付けを行い、記録したプロセス全体を最適に自動化するBotを生成する。RPA開発者は、ワンクリックでBotを自動生成でき、必要に応じて編集・最適化することも可能となっている。

「Discovery Bot」のAIを活用した自動化ステップ

 由井氏は、「『Enterprise A2019』のデジタルワークフォースプラットフォームに、今回の『Discovery Bot』が加わることで、業務プロセスのエンドツーエンドでの自動化を実現するインテリジェントオートメーションプラットフォームが完成した。プロセスディスカバリーによる『検出』、RPAとAIによる『自動化』、アナリティクスによる『最適化』の3つのサイクルを継続的に回していくことで、企業全体で業務プロセスの自動化を加速していくことができる。『Discovery Bot』の提供により、今後すべての顧客の業務プロセスを自動化し、そのスピード、正確性、生産性の向上を支援していく」との方針を示した。

インテリジェントオートメーションプラットフォームの概念図

 なお、「Discovery Bot」は現在、パイロットプロジェクト向けに提供を開始しており、販売は数カ月後から順次行う予定。日本での提供時期は検討中としている。