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オートメーション・エニウェア、AIを活用したクラウドネイティブな「RPA-as-a-Service」基盤を提供

 オートメーション・エニウェア・ジャパン株式会社(以下、オートメーション・エニウェア)は、Webベースのクラウドネイティブなデジタルワークフォースプラットフォームの最新版「Automation Anywhere Enterprise A2019」(以下、Enterprise A2019)を、10月8日から提供開始すると発表した。

 同日に行われた記者説明会では、最新版の販売戦略および機能強化ポイントについて説明した。

RPAをサービスで提供する「RPA-as-a-Service」

 今回の最新版「Enterprise A2019」は、10以上の言語に対応し、RPAをサービスで提供する「RPA-as-a-Service」として、オンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウドなど各種の環境で利用することが可能となった。これにより、業界や組織の規模にかかわらず、さまざまな企業で円滑に自動化を実行しやすくなり、コストやインフラ面でも容易にRPAを導入できるようになるという。

 オートメーション・エニウェア 副社長 営業統括の飯尾光國氏は、「ワールドワイドでは、すでにRPAを利用している企業は73%に達している。しかし、本番環境で50以上のBotが稼働している企業はわずか5%にとどまっているのが実情だ。これは、RPA製品を導入したものの、内製化が困難であるため、Bot開発が停滞してしまっていることが挙げられる」と指摘。

 「こうした市場背景を受け、最新版では、各国約3000社から寄せられた機能改善の声を反映させ、数千時間におよぶ研究開発を行った。そして、より簡単な操作で業務プロセスを自動化できるよう、人の働き方からヒントを得た175の新機能を追加し、真のWebベースのクラウドネイティブな『RPA-as-a-Service』を実現した」としている。

オートメーション・エニウェア・ジャパン副社長 営業統括の飯尾光國氏

 日本市場での販売戦略については、「当社のデジタルワークフォースプラットフォームでは、顧客がすぐに展開できるBotやデジタルワーカーを500以上掲載したマーケットプレース『Bot Store』を提供している。最新版の国内販売にあたっては、『Bot Store』の新たなアライアンスビジネスを開始し、人材派遣業などのパートナー企業がオリジナルの『Bot Store』をクラウドで展開できるようにする。また、エンタープライズ企業に向けては、グループ会社内でオリジナル『Bot Store』をクラウドで提供し、グループ全体でBotを共用可能にする。さらに、中小企業に対しては、『Bot Store』から直接Botをダウンロードするだけで、手軽に自動化を実現できる取り組みを進めていく」(飯尾氏)との方針を示した。

デジタルワークフォースプラットフォームのアーキテクチャ

 オートメーション・エニウェア セールスエンジニア本部 本部長の由井季佳氏は、最新版の機能強化ポイントとして、クラウドネイティブで誰もがすぐに利用できて使いやすい「エクスペリエンス」、今までにないアジリティと拡張性を備えた「デリバリー」、インテリジェントオートメーションを実現する「エコシステム」の3点を挙げ、「企業内のあらゆるユーザーがデジタルワークフォースを活用できることが重要であると考え、ユーザー部門の開発者、開発のスペシャリスト、IT部門のRPA管理者それぞれのニーズに応える新機能を提供する」と説明した。

オートメーション・エニウェア・ジャパンセールスエンジニア本部 本部長の由井季佳氏

 主な新機能としては、いつでもどこでも短時間に自動化できるモダンなWebインターフェイスと次世代ワークベンチ(ロボット作成ツール)を提供する。Webベースの操作画面によって、スキルレベルにかかわらず、あらゆるユーザーが短時間でBotを開発することができ、同じ時間で以前よりも多くの業務プロセスを自動化できるようになる。システムのインストール、構成、メンテナンスを行う必要もなく、さらにWindows OS、Mac OS、Linuxやモバイル端末を含めたさまざまなデバイスで簡単にBotを開発できるようになる。

「Enterprise A2019」のデモ画面

 「次世代ワークベンチは、Bot構築スキルに合わせて利用可能な新たなフロー形式の直感的デザインと、シンプルな部品の組み立てや展開を実現するために再設計された作業領域を搭載。初心者向けには、製品内ラーニング機能を用意し、一般的なタスクを段階的にガイダンスする。開発者向けには、TaskBot作成用のフロービューとリストビュー、Botコード管理機能、キャプチャ処理を簡素化するユニバーサルレコーダー機能など高度な機能を提供する。また、ロボット実行環境の『Bot Runner』は、クラウドからBotにアクセスしてローリソースで実行することでき、必要なコマンドのみパッケージとして自動的にダウンロードし、更新されたパッケージがあれば自動でダウンロードを行う」(由井氏)としている。

 さらに、最新版はクラウドネイティブで設計されており、クラウドからサービスを提供するRPA-as-a-Serviceとオンプレミスの両方で、エンタープライズクラスのデータプライバシー、セキュリティ、暗号化を提供する。RPA-as-a-Serviceモデルでは、サービス基盤がクラウドで提供されるため、RPA本来のメリットに加えて、TCOの削減や無限に近い拡張性を実現できるほか、短期間でビジネス価値を実現できるようになる。導入時には、オンプレミスとクラウドのどちらかを選択できる。

 このほか、組込済みのAI機能だけでなく、画像認識、自然言語処理、予測モデリングなどの他社製AIソリューションをワークフローの中に簡単に組み入れることが可能となった。自動化ワークフローの中にAIアクションをドラッグアンドドロップするだけで簡単に実施できる。

 なお、最新版では、中小企業や開発者、学生向けの無償サービス「Automation Anywhere Community Edition」日本語版の提供を開始するという。これにより、RPAへのアクセスを幅広く提供し、ユーザーのキャリア設計やスキルの向上を促進していく考え。