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トラスコ中山、基幹システムをSAP S/4HANAでリニューアル 日本IBMが支援

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)、SAPジャパン株式会社、株式会社野村総合研究所(以下、NRI)の3社は4日、SAP S/4HANAを利用し、トラスコ中山株式会社の基幹システムをリニューアルしたと発表した。

 機械工具卸売商社のトラスコ中山では、2017年12月、既存システムがサポート期限を迎えることを契機として、基幹システムと情報分析システムのリニューアルを計画した。この中で、システムの単純な入れ替えだけでなく、顧客の利便性向上と事業成長に向けたサービス強化を目指し、業務改革プロジェクトも並行して進めることが決定。日本IBM、SAPジャパン、NRIを主体としたチームを作り、4社でプロジェクトを推進した。

 その中で日本IBMは、コンサルティングから、要件定義、システム構築までを一貫してサポートしたとのことで、具体的には、「IBM Impact Assessment for SAP S/4HANA」を活用し、影響分析、計画立案の精緻(せいち)化を支援。SAP S/4HANAを採用した新基幹システム「パラダイス3」へと刷新している。また分析システムも、SAP BW/4HANAへと最新化した。

 このほか、SAP Cloud Platformを活用した業務の高度化・自動化についても、クラウド開発エキスパートチームを活用し、DXを推進するIT基盤としてSAPのPaaS「SAP Cloud Platform」とIBMCloudを連携させ、ハイブリッドクラウドシステムを構築している。さらには、見積もりのコメント分析に自然言語処理を行うAI「IBM Watson Natural Language Classifier」を採用し、見積もり自動化による迅速な回答を支援した。

 一方のSAPジャパンでは、各製品・サービスの提供を行うとともに、サポートサービス「premium engagements」「カスタマーケアプログラム」「戦略的パートナー連携支援」の各サービスにより、日本IBMのSAP S/4HANA導入およびSAP Cloud Platform活用開発を全面的に支援したとのこと。

 NRIは、情報分析機能「SORA」の拡張を担当し、販売実績から適正在庫数を計算するロジックの高度化や、売れ筋判定による発注データの自動連携を実現。新たに「SORA2」として、パラダイス3との連携を強化している。また、リアルタイムの価格、在庫情報を連携するAPI機能の処理能力向上と最適化により、今後の取引量増大に対応することで、社内外システムとの連携性能も強化した。

 販売店向けスマートフォンアプリ「T-Rate(トレイト)」の構築もNRIが担当し、販売店とのコミュニケーションをより円滑にするためのチャット、タイムライン機能のほか、GPSによる位置情報サービスを活用した、配送状況と到着時刻予測機能を実装しているとのことだ。