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タイ味の素社、基幹システムをSAP S/4HANAへ移行 アビームが導入を支援

 SAPジャパン株式会社とアビームコンサルティング株式会社(以下、アビーム)は15日、味の素株式会社のグループ会社である、Ajinomoto Co.,(Thailand) Ltd.(以下、タイ味の素社)が、SAP S/4HANA、SAP Analytics Cloud、SAP Datasphereを導入し、2023年4月に稼働を開始したと発表した。システムの導入・開発は、SAPの支援のもとでアビームが担当している。

 グループの総売上の10%超を占め、ASEAN地域における最重要拠点として活動しているタイ味の素社は、全社マネジメント変革の一環としてのデータドリブン経営の実現、そして基幹システム(SAP ERP)の保守期限対応などを背景に、既存システムの更改を検討。新経営情報分析基盤に求める業務要件の適合性やコストの観点から、SAP S/4HANAへの移行を決めた。

 この際に同社では、業務をシステムに合わせる「Fit to Standard」を方針に掲げて導入を推進した結果、アドオンの本数を50%削減しており、このアドオン削減とクラウド化により、維持運用コストが大幅に削減されたとのこと。

 同時に、ローリングフォーキャストを中心とした新経営情報分析基盤の構築にあたり、アビームの提案を受けて、予算・業績見込み管理にSAP Analytics Cloud for Planningを、業績の分析として、BIツールのSAP Analytics Cloud for business intelligenceを、それぞれ採用した。

 このうちSAP Analytics Cloud for Planningは、品目・ブランド軸や販売チャネル・顧客軸での管理や予測分析を実現するために導入。BIツールについては、SAPコアとの連携や操作性、分析機能の高さなどを加味してSAP Analytics Cloud for business intelligenceを選定している。

 また、これまではSAP外とのデータ連携・統合用にデータウェアハウス(DWH)をオンプレミス環境で利用していたが、今回はクラウドサービスのSAP Datasphereを採用し、移行した。

 これにより、SAP S/4HANAなどにあるデータをSAP Analytics CloudとSAP Datasphereを連携活用することで、複数軸での業績管理と分析、予算・見込みデータと連携し、予測シミュレーション機能への活用も可能になったとのこと。