ニュース

JASRACがデータ集計・分析業務に「Dr.Sum」を採用、独自視点でデータを動的に参照できるデータポータルを構築

 ウイングアーク1st株式会社は19日、一般社団法人 日本音楽著作権協会(以下、JASRAC)が、データ集計・分析業務においてDr.Sumを導入したと発表した。

 JASRACでは、どの楽曲がどれだけ利用されたかという利用実績の情報を、音楽をビジネスで利用する事業者などから受け取り、そのデータに基づいて著作物使用料を権利者に分配している。

 現在では、音楽配信の主流がインターネット経由のダウンロードからサブスクリプション型へと変化したことなどにより、再生される楽曲数が増え、取り扱うデータ量が急増。膨大なデータから必要なデータを抽出・集計するのに、多大な労力と時間を要するようになっていたという。

 JASRACは、こうした課題の解消とあわせ、保有するあらゆるデータを分析・活用するという経営方針を掲げており、その実現に向け、2018年6月にDr.Sumを導入して新しいデータ集計・分析基盤を構築。2019年4月には役職員向けに動的にデータを参照できるデータポータルを公開した。

 選定にあたっては、Dr.Sumの性能が高く、JASRACの持つ膨大なデータを蓄積して高速に処理するプラットフォームを構築したいという、同団体の要件にかなうものだったことに加えて、「誰に何円を分配した」といったセンシティブなデータを扱うため、Dr.Sumがオンプレミス環境で稼働する点が重視された。さらに、サーバーライセンス方式であり、データポータルを用意して役職員が閲覧する場合にも追加コストが不要な点も評価されたとのこと。

 このほか、Dr.Sumに蓄積したデータをExcelの画面から参照し、簡易に集計・分析・作表できる「Datalizer for Excel」によって、社内ユーザーが使い慣れたExcelのインターフェイスを利用し、分析結果を可視化できることが決め手になったとした。

 データポータルの公開後は、役職員自身が独自の視点でデータを動的に参照できるようになった。データを迅速に集計しさまざまな切り口から分析を行えるようになったため、従来は紙で出力していた、分析者の視点によるレポートの必要もなくなり、ペーパーレス化を実現したという。

 さらに、Dr.Sumで集計した結果を基に「平成期における著作物使用料分配額 TOP100」を発表するなど、独自の指標データを広報素材として活用することで、JASRACの運営の透明性を高め、内部だけでなく外部への情報発信のためのデータ基盤としての活用を実現しているとのこと。