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三笠製薬、「Dr.Sum」による迅速な情報提供でMRの活動を強化
2018年1月12日 11:59
ウイングアーク1st株式会社は12日、三笠製薬株式会社が、集計・分析プラットフォーム「Dr.Sum」の導入により、MR(医薬情報担当者)の情報力強化を図っていると発表した。
三笠製薬は、整形外科分野で処方される医療用鎮痛・消炎外用薬などを主力製品として展開している製薬企業。
同社のMRが活動のベースとしているのは、医師・薬剤師などの情報はもとより、医療機関から発行された処方せんが、どの調剤薬局で、どれくらい販売されているかというデータ。翌日優先すべき訪問先を把握できるため、特に当日の新規販売データが一番必要とされていたが、こうした情報を管理する環境は十分に整っていなかったという。
同社において情報を管理しているのは、COBOLで開発されたホストシステムだが、各データ項目の定型的な集計にしか対応しておらず、利用できる端末も社内のPCに限られるうえに、21時以降は夜間バッチに回るため、通常業務のサービスが停止されるといった点が課題になっていた。
MRが医師と面談できる時間は、医師が診察を終えた遅い時間になりがちで、その後に明日の訪問予定を立てておきたいと考えても、時間に間に合わず、必要な販売データを得られないことがあったという。
そこで三笠製薬は、2002年にオンプレミス型のSFA(営業支援システム)を導入し、販売データも一緒に24時間閲覧できるようにしたが、ホストで管理している販売データをSFAに反映させるには、どうしても丸1日のタイムラグが発生してしまうことから、このシステムでもMRの満足を得ることができていなかった。
同社はこうした課題を踏まえ、クラウド型SFA導入の準備を進めており、2016年9月、アイ・エム・エス・ジャパン株式会社から提案され導入したDr.Sumと、iPadに対応した集計レポーティングツール「Dr.Sum Datalizer Expert」により、課題解決に至ったとのこと。
当初はユーザーがとまどわないよう、最低限必要なデータ、例えば、「納入明細速報」「期間販売データ」「担当者別計画推移」など、基本パターンとなるビューをいくつか定義しておき、そこに各自が思い思いの条件を付加しながら分析を進めていける仕組みづくりに注力。
その後、各MRからの要望で「処方元別データ」「新規ターゲット先データ」「累計達成率ランク」「新規採用先フラグ」「前年販売減少先」などのビューを追加し、他社販売データも取り込みながら、現在では、全国に約120名いるMRのほぼ全員がiPadでDr.Sumを利用するようになったとした。
これにより、リアルタイムに近い鮮度の高いデータを取得できるようになったことに加え、情報システム室に依頼してホストから実績データを抽出してもらい、それを営業本部の担当者が集計・加工し、レポートとして各支店に配信する、といった面倒な作業も省略できたという。さらにDr.Sumでは、MRから要望を受けて新しいビューを定義する場合でも、作業が数分で完了するため、情報システム室の負担を軽減できるとしている。
なお三笠製薬では今後、現在は併用しているホストシステムをできる限り早期にクローズし、販売データの管理や分析を「Dr.Sum」に一本化する方針。あわせて、各MRが各支店・全社の中で自分の実績を比較・確認したり、好成績を上げているMRの行動を学んだりできる仕組みを充実させるなど、より多くの“気づき”を得られるシステムに発展させていく計画だ。