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NEC、IoT機器にプログラム改ざん検知機能を組み込むソフト 実行中に発生した改ざんも検知可能

 日本電気株式会社(以下、NEC)は10日、さまざまなIoTシステムを構成する機器にプログラム改ざん検知機能を組み込むソフトウェア「軽量プログラム改ざん検知 開発キット」を発表した。年間利用料金は20万円(税別)からで、11月1日から提供を開始する。

 「軽量プログラム改ざん検知 開発キット」は、工場・ビル・店舗などで利用する機器制御、設備稼働管理、カメラ、コネクテッドカー、医療・ヘルスケアなど、多様なIoTシステムを構成する機器に、プログラム改ざん検知機能を組み込むソフト。同製品の改ざん検知ライブラリは、改ざんを検知するために必要な最小限の処理に特化しており、3KBの極小サイズを実現しているという。

 また、プログラム全体を検査するのではなく、これから実行されるプログラムの部分ごとに検査対象を絞る仕組みにより、高速に改ざんを検知することが可能。例えば、1KBのプログラム領域ごとに区切って検査する場合、低性能なマイコンでも約2ミリ秒で改ざん検知を行えるとした。

 このため機器メーカーは、センサーデバイスのようにハードウェアリソースの制約がある機器や、制御装置のように遅延時間制約の厳しい機器においても、プログラム改ざん対策が可能になるとしている。

 さらに、プログラムの起動時だけでなく、実行中に発生する改ざんも検知できるので、IoT機器を長期間にわたり連続稼働させる場合にも有効な対策になるとのことだ。

軽量プログラム改ざん検知の機能

 なお、機器メーカーが容易に機器へ改ざん検知機能を組み込めるように、検知ライブラリの呼び出し機能をプログラムへ自動的に組み込むツールや、改ざん検知の基準となるプログラム正常状態(ホワイトリスト)を自動的に生成するツールも同梱して提供する。

 NECでは、11月7日・8日に東京国際フォーラムで開催する年次プライベートイベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2019」、ならびに11月20日~22日にパシフィコ横浜で開催されるイベント「ET & IoT Technology 2019」において、「軽量プログラム改ざん検知 開発キット」を展示するとのことだ。