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日本マイクロソフト、テレワークで就労機会の拡大を目指すプロジェクトを開始

 日本マイクロソフト株式会社は24日、テレワークを推進することで全国の個人と企業をつなぎ、地方在住者の就労機会を拡大するプロジェクト「Empowered JAPAN」を開始すると発表した。Empowered JAPAN実行委員会と連携し、賛同パートナーの協力も得た上で、実証プロジェクトを各地で展開する。

 日本マイクロソフト 執行役員 政策渉外・法務本部長のアリス・グラハム氏は、日本の人口の28.3%が東京とその周辺都市に集中していることや、女性の3分の2が出産を機に退職していること、就労意欲があっても就労できていない女性が262万人、男性が107万人存在する一方で、中小企業の70%以上が人材不足に悩んでいることなどを指摘。こうした人材のギャップによるGDPの損失額は今後数年で22兆円にのぼるという試算もあることから、「テレワークの技術やトレーニングの提供により、スキルを持った人が経済社会に参加してGDPの損失を抑えることにつなげたい」(グラハム氏)とした。

日本マイクロソフト 執行役員 政策渉外・法務本部長 アリス・グラハム氏
プロジェクト発足の背景となったさまざまなデータ

 同プロジェクトでは、まず7月22日から9月6日のテレワーク・デイズ2019に合わせ、全国の企業と、対象地域で求職中の女性に対し、教育プログラムを提供する。

 プログラムは、最初に、キャリアカウンセリングやコミュニケーションを含め、マインドセットを構築するところから開始する。次に、セキュリティやOfficeアプリケーション、AI機能の活用といったITスキルを学習。さらに、クラウドによる共同作業やデータ分析など、テレワークスキルを学んだあと、最終的には実際にテレワーカーとして遠隔地の企業における職場体験を実施、同時に企業側もテレワーカーを受け入れるマネジメントを体験する。

教育プログラムの概要

 今回のプロジェクトの実施地域は、北海道札幌市、山形県酒田市、千葉県流山市、埼玉県吉川市、愛知県岡崎市、佐賀県佐賀市および有田町の合計7地域。まずは女性を対象として実施するが、今後対象を若者や高齢者、障がい者にも拡大し、より多くの地域で展開する予定だ。日本マイクロソフト 執行役員 常務 コンシューマー&デバイス事業本部長の檜山太郎氏は、「開始1年目は50社50人の参加を想定している。開始2年間で100社100人に参加してもらい、3年目には自走可能な仕組みを目指す」と話す。

 「最終的には、プロジェクトとして支援しなくてもこの仕組みが社会に根付き、発展していくことが大切だ。そのような社会が実現し、プロジェクトが解散できるようになるまで広めたい」(檜山氏)。

日本マイクロソフト 執行役員 常務 コンシューマー&デバイス事業本部長 檜山太郎氏

 会見では、Microsoft Teamsを介して愛知県岡崎市の内田康宏市長および佐賀県佐賀市の秀島敏行市長も参加した。内田氏は「テレワークのハードルは最初は高いかもしれないが、人材確保には有効な施策で、今後普及していくだろう」と述べた。また、秀島氏は「発達障害などでコミュニケーションが苦手な人でも、テレワークの仕組みによって自宅作業が可能になり、個性を生かした仕事ができるのではないか」と期待を寄せた。

Microsoft Teamsで会見に参加した佐賀県佐賀市の秀島敏行市長(左)と、愛知県岡崎市の内田康宏市長(右)
ビデオにて賛同のコメントを寄せた衆議院議員 情報通信技術政策担当 内閣府特命担当大臣 平井卓也氏
プロジェクトにてデバイスパートナーが提供するデバイス群
デバイスパートナー