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NTT-AT、柔軟性と高速処理を両立させたネットワークトラフィック監視システム 「@FlowInspector」

2019年秋の販売開始を予定

 NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下、NTT-AT)は11日、ネットワークトラフィック監視システム「@FlowInspector」を2019年の秋に販売開始すると発表した。

 近年のネットワークでは、スライスによる論理多層化、ルーティングの複雑さなどにより、パケットは多段にカプセル化されることが多く、専用のDPI(Deep Packet Inspection)装置を使用しなければIPレイヤのトラフィックを把握できないという。また、多くのDPI装置がソフトウェア処理を基本とすることから、高スループットには対応が困難といった課題もあった。

 これに対して今回発表された@FlowInspectorは、NTTデバイスイノベーションセンタが開発した「パケット処理・フロー識別用ハードウェア・アクセラレータ」技術を搭載し、FPGAを活用してパケットフィルタ処理をハードウェア化。複雑にカプセル化されたパケットを、17フィールド、1万エントリまでのフィルタで詳細にトラフィック分析する性能を実現したという。

 これにより柔軟性と高速処理を両立し、従来は難しかった、物理/仮想化ネットワークが混在するさまざまな環境において、トラフィックの可視化、ネットワーク遅延のリアルタイム把握を行えるとのこと。

 また、事故の前後のみ映像を記録する自動車のドライブレコーダーのように、マイクロバーストなどの異常検出をトリガーとして、その前後のパケットのみを効率的にキャプチャする機能も備えているので、巨大なストレージに膨大なキャプチャデータを保存し、その中から異常なフローを探し出して解析する、といった必要がなくなり、ネットワーク運用・分析のコストを削減可能とした。

 ネットワークへの接続方法としては、TAPやスイッチによるミラーリングに対応し、主情報ルートに影響なく、広範なネットワークに接続できる。

 今後は、100Gbpsを超えるスループットへの対応、機械学習を組み合わせた故障検知・予測、FPGAカスタマイズのさらなる容易化など、継続的なバージョンアップによって、より広範なネットワークに対応することで、汎用的なネットワークトラフィック監視システムとする予定だ。

 なおNTT-ATでは、6月12日~14日に千葉県の幕張メッセで開催される展示会「Interop Tokyo 2019」に@FlowInspectorを出展する。同製品は、Best of Show Award 2019のファイナリストにノミネートされているとのことだ。