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Dell EMCがデータ保護製品を一新 既存製品のラインアップも拡張
2019年5月30日 06:00
デル株式会社とEMCジャパン株式会社(Dell EMC)は29日、データ保護・管理ソフトウェアの「Dell EMC PowerProtect」と、同ソフトウェアを搭載したハイパーコンバージド型アプライアンス「Dell EMC PowerProtect X400」、またデータ保護アプライアンス「Dell EMC Integrated Data Protection Appliance(IDPA) DP4400」のエントリーモデルを発表した。
Dell Technologies(EMCジャパン) DPS(データ保護ソリューション)事業本部 シニア・ビジネス・ディベロップメントマネージャーの西頼大樹氏によると、今回発表したPowerProtectシリーズは、「Dell Technologiesが自らディスラプションを起こすために一から開発したデータ管理プラットフォーム」だという。
すでにデータ保護ソリューションを抱えている同社が新たな製品を開発した背景について西瀬氏は、同社が実施したデータ保護に関する調査「Data Protection Index 2018」の結果を元に、次のように語った。
「調査によると、過去12カ月で何らかのダウンタイムを経験した顧客は全体の3分の2にのぼった。その内訳としては、データロスが25%と、2016年の調査時の倍になっている。しかも、現在のデータ保護テクノロジを使ってもデータ復旧に至らなかったケースが4分の1も存在した。調査にてデータ保護の課題として最も多く挙げられたのが、新たなテクノロジに対応できるデータ保護ソリューションが不足しているという点。そこでわれわれとしても、これまでのように既存ソリューションの機能強化で対応するよりも、新たなテクノロジを活用した新プラットフォームを作るべきだという結論に達した」(西瀬氏)。
PowerProtectは、ユーザーの選択肢を増やすため、ソフトウェアとアプライアンスの2種類で提供する。Dell Technologies アジアパシフィックジャパン DPS事業本部 プリセールスディレクター&ヘッドのヤン・チーワイ(Yeong Chee Wai)氏は、PowerProtectについて、「ソフトウェア定義型で、マルチクラウド志向の製品。セルフサービスでバックアップができ、SaaSベースの管理コンソールを提供する。また、サービス指向のモダンアーキテクチャを採用している」と説明する。
ソフトウェアには重複排除機能が搭載されているほか、機械学習機能を活用したデータの最適化が可能だ。また、クラウド階層化機能が備わっており、ゲートウェイなしにクラウドとネイティブ連携してデータが拡張できる。
中でもチーワイ氏が強調しているのが、同製品がセルフサービス型であること。「多くのユーザーが、自らバックアップを実施したい、しかも自分が使っているツールをネイティブにサポートしてもらいたいと考えている」として、PowerProtectではアプリケーションからネイティブでバックアップができることを説明。これにより、IT部門による統合管理統制を維持しつつ、それぞれのアプリケーションやデータ管理者が自らの望む形でデータを保護できるという。
アプライアンス型のPowerProtect X400は、「Dell EMC PowerEdge」サーバーをベースにPowerProtectをパッケージ化。オールフラッシュまたはハイブリッド型で提供する。また、スケールアップとスケールアウトの双方に対応する。
チーワイ氏は、「これまでバックアップデータはデータリカバリにしか使われていなかったが、今ではそのデータを活用してビジネスの価値を見い出そうとする企業が多い。そのため、バックアップストレージに対する要件も、容量の拡張だけでなくパフォーマンスの向上を求めるケースが増えてきた。つまり、スケールアップだけでなくスケールアウトもできなくてはならないのだ」と述べている。
PowerProtectソフトウェアとPowerProtect X400アプライアンスは、7月下旬より一般提供を開始する。価格は個別見積もりとなる。