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レッドハット、最新ユーザー事例や製品ポートフォリオについて説明
2018年11月9日 11:51
レッドハット株式会社は8日、年次イベント「Red Hat Forum Tokyo 2018」に合わせて記者会見を開催した。
別稿にて、米Red HatのCEOであるJim Whitehurst(ジム・ホワイトハースト)氏のパートをレポートしているが、本稿では、レッドハット株式会社 代表取締役社長の望月弘一氏による、新たに発表されたユーザー企業事例やパートナー企業についての説明や、プロダクトソリューション本部 本部長の岡下浩明氏による、製品ポートフォリオ、最新のRed Hat Enterprise Linux(RHEL) 7.6などに関する説明についてお届けする。
日本でのユーザー企業事例やパートナーとの協業
望月氏は、日本でのユーザー企業事例やパートナーとの協業について紹介した。
ユーザー企業事例の最初の2つは、「Red Hat Innovation Awards APAC 2018」を受賞したNTTコムウェア、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)のユーザー事例だ。これについては、基調講演の記事でレポートした。
3つめは、富士通株式会社がグローバル経営における意思決定支援システムにRed Hat OpenShift Container Platformを採用した事例で、同日に発表された。グローバルなアプリケーションの配布や、運用煩雑性、可用性を考えてOpenShiftを採用したという。さらに、これによりOpenShiftのノウハウを社内に蓄え、2019年3月にはクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service for OSS」でOpenShiftマネージドサービスを提供することを目指すという。
4つめは、株式会社ウェザーニースがAPI管理製品のRed Hat 3scale API Managementを採用した事例で、これも同日に発表された。気象情報はさまざまなシステムから利用されるため、APIが重要になる。そのAPIの流量制限やセキュリティ管理、アクセス管理などのために3scaleを採用したという。
パートナー協業の1つめは、クラウドパートナーとの協業。各クラウドサービスプロバイダーとの協業を加速しているほか、OpenShift on OpenStackがSIerで顕在化してきているという。これには、基調講演に登場したNTTデータの事例や、上述した富士通の「FUJITSU Cloud Service for OSS」がある。
2つめは、クラウドネイティブアプリケーションのためのコンテナー分野での、技術者の育成や全国展開。OpenShift Practice Builderに5社が参加し、ソフトバンクコマース&サービス株式会社と全国販売網のために組織を立ち上げる。
3つめは自動化の分野。Ansible Accleraration Programに3社が参加するほか、日本ヒューレット・パッカード株式会社のHCI製品とAnsible Towerを組み合わせて販売する。
RHEL 7.6やNVIDIAとの協業などを紹介
岡下氏は、Red Hatの製品ポートフォリオを紹介し、「プラットフォームすべてを提供できるようになった。そして重要なのは、すべての基盤としてRHELがあることだ」と語った。
現在のRed Hatのビジョンはオープンハイブリッドクラウドだ。ベアメタルから仮想サーバー、プライベートクラウド、パブリッククラウドまで、一貫した環境を提供する。
そのための3つの要素を岡下氏は挙げた。1つめは4つのフットプリントに対応するプラットフォーム、つまりRHELだ。2つめはクラウドネイティブアプリケーション基盤だ。3つめは、自動化と管理だ。
岡下氏は、製品に関する最近の2発表についても紹介した。
1つめの発表はRHEL 7.6だ。その特徴となる新機能の1つめは、管理とオートメーションで、管理コンソールや、Ansibleモジュールのサポートなどが追加されている。新機能の2つめは、セキュリティとコンプライアンスで、TPM 2.0サポートや、ファイアウォール管理の容易化、暗号アルゴリズムの追加などがある。新機能の3つめはコンテナで、軽量コンテナツールキットにPodmanが追加された。
2つめの発表は、NVIDIAとの協業により、OpenShiftがNVIDIA DGX-1の認定プラットフォームとなったこと。これにより、大規模な機械学習プラットフォームが利用できるようになったという。