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Red Hat、「Red Hat Enterprise Linux 7.6」をリリース

 米Red Hatは10月30日、Red Hat Enterprise Linux 7の最新バージョンとなる「Red Hat Enterprise Linux 7.6」の一般提供を開始した。

 Red Hat Enterprise Linux 7.6では、セキュリティ面の強化として、Network Bound Disk Encryption(NBDE)の一部として、Trusted Platform Module(TPM)2.0ハードウェアモジュールを導入した。これにより、ネットワークベースのメカニズム(NBDE)がネットワーク環境にわたるセキュリティを提供するとともに、TPMがオンプレミスで動作して追加の層を付加し、ディスクを特定の物理システムに結び付ける二層のセキュリティがハイブリッドクラウドの運用時に提供される。

 また、nftablesの拡張によりファイアウォールの管理が容易になり、侵入防止対策の設定が簡易化された。さらに、RSAや楕円曲線暗号(ECC)用のアップデートされた暗号アルゴリズムがデフォルトで有効化され、機密情報を扱う組織が連邦情報処理標準(FIPS)コンプライアンスや米国立標準技術研究所(NIST)などの標準化団体の要件に追従しやすくなった。

 管理とオートメーションの面では、新しいシステム管理者などがLinuxをより容易に採用できるよう、Red Hatシステムの正常性と状態の概要をグラフィカルに表示するRed Hat Enterprise Linux Web Consoleに拡張が加えられた。これらの拡張には、より発見の容易なアップデート、ID管理のためのシングルサインオンの自動設定、ファイアウォール制御インターフェイスが含まれる。

 また、Ansibleモジュールの集合である、Red Hat Enterprise Linux System Rolesのサポートも提供。それぞれのモジュールが、Linux環境の日常的管理の一環として発生する作業を処理するための、既成の自動化されたワークフローを提供する。

 コンテナ技術については、デジタル変革の要素としてのクラウドネイティブなテクノロジーの増加はRed Hatにとって常に重点領域のひとつであり、Red Hat Enterprise Linux 7.6では、Red Hatの軽量コンテナツールキットを通してこれに対応すると説明。ツールキットは、エンタープライズグレードのセキュリティを念頭に構築されており、Buildah、Skopeo、CRI-O、および新たに追加されたPodmanで構成される。

 BuildahとSkopeoを補完し、CRI-Oと同じ基盤を持つPodmanの導入により、ユーザーはデーモンを介在させる必要なしに使い慣れたコマンドラインインタフェイスからコンテナおよびコンテナのグループ(pod)を実行できるようになり、開発者はより容易に、ワークステーション上、継続的統合/継続的開発(CI/CD)システム内、高性能コンピューティング(HPC)やビッグデータスケジューリングシステム内でもコンテナを構築できるようになるとしている。