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投資ファンドでなくIBMでよかった――、Red Hat ホワイトハーストCEOが買収についてコメント
2018年11月9日 11:35
レッドハット株式会社は8日、年次イベント「Red Hat Forum Tokyo 2018」に合わせて、米Red HatのCEOであるJim Whitehurst(ジム・ホワイトハースト)氏の記者会見を開催した。
Red Hatの業績を報告
Whitehurst氏はまずIBMによる買収について触れつつ、「私のプレゼンはその話ではありませんが、質疑応答では答えます」とユーモラスに語った。なお、やはり報道陣から次々と質問が相次いだが、その模様は後述する。
さて、Whitehurst氏はプレゼンでRed Hatをとりまく数字について触れ、Fortune 500企業の90%以上がRed Hatの製品とソリューションを使用し、約12000人の従業員を抱え、「われわれはついにOSS(オープンソースソフトウェア)企業として初の30億ドル規模を達成した」と説明する。
企業収益は毎期成長が続いている。「強調したいのは、市場動向の良いときも難しいときもRed Hatは成長してきた点だ」とWhitehurst氏。
直近の第2四半期の収益の中から氏は、73件の取引がl00万ドル超で大企業と関係を築けていることや、新製品も伸びていることを強調した。
2021年の市場規模については約730億ドルを予測しているという。「Linuxだけでなく、さまざまなカテゴリーを組み合わせるようになって規模が広がった。いちから開発するのではなく、オープンソースなので関連分野にカテゴリーを増やしやすい」とWhitehurst氏は説明する。
また、この数字は現在のカテゴリーでのもので、さらにカテゴリーを広げて増えることが期待できると氏は述べた。
内訳についてはあまり公表されていないが、主要テクノロジーについていくつか紹介された。Red Hat OpenShiftは年伸び率91%を記録。Red Hat OpenStack Platformは年伸び率31%で、顧客数500を超えた。Ansibleも第2四半期で100近い顧客があり、新しいワークロードからエンタープライズまで広く使われ、年平均81%の伸び率だという。
Whitehurst氏はそのほか基調講演で話したデジタル変革やRed Hatのユニークな企業文化についても説明。さらに「Red Hatがほかの企業より優れていると言っているわけではない。コミュニティエコシステムと企業の橋渡しの役割をしている」と強調した。
IBMによる買収について語る
質疑応答では、やはりIBMによる買収について報道陣からの質問が相次いだ。ただし、詳細については「話せる段階にない」と一般論として答えたり、はぐらかすような答えだったりと、具体的なことについては語られなかった。そこでここでは、Whitehurst氏の発言からいくつか引用する。
「IBMがRed Hatの商品を売るようになる。その逆はない。そのためにも、Red Hat製品はどこでも動く必要がある」
「Red Hatだけの規模では、影響力が限られる。IBMの資金や営業力などによって、オープンソースへの影響力が拡大できる。OpenStackやOpenShiftなども、まだ拡大したいことがある」
「コンテナでは、ネットワークやセキュリティ、アプリケーションパフォーマンス管理など、解決すべきことがある。投資を拡大し、それらを解決したい」
(両社の製品の重複について)「買収について当局の承認を受けていないので、重複部分については話すらしていない。言えることはラインアップが残るということ」
(氏自身を含むRed Hatの人のIBMでの地位について)「今はディールをどうするかという話で手一杯」
「IBMはオープンソースに多大な貢献をしている。投資ファンドでなくIBMでよかった」