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PFU、クラウド型キャプチャサービスの読み取り精度を向上 オペレーション自動化機能も追加

 株式会社PFUは15日、クラウド型キャプチャサービス「PFU Smart Capture Service(PSCS)」の機能強化版を11月より販売開始すると発表した。読み取り精度の向上によるキャプチャ機能の強化や、オペレーション自動化機能の追加などが行われているという。

 PSCSは、業務で発生するさまざまな紙文書や帳票を仕分けて必要な情報を自動的に抽出し、RPAと連動して処理を自動化するクラウドサービス。今回の新版では、キャプチャ機能の強化による読み取り精度向上と、オペレーション自動化機能の追加を行っている。

 キャプチャ機能の強化では、まず、自社の日本語手書きOCRエンジン「DynaEye」と辞書の組み合わせにより、読み取り精度を向上している。特に「申込書」「申請書」などについては、住所・氏名の日本語手書きが多いため、有効に利用できるという。また、記入欄に一文字ごとの枠がない日本語手書き(フリーピッチ)については、Cogent Labsの手書きAI OCRサービス「Tegaki」を利用して精度を向上させた。

 さらに、印影・網掛け、白抜き文字など、OCR読み取り精度に影響がある文字を画像補整技術によって除去しOCR精度の向上を図るOCRノイズ除去機能を搭載。帳票定義をせずにすぐ利用できる事前定義済み帳票も、仕入伝票、支払依頼書、請求書明細を新たに追加したことで、これまでの5種類(見積書、請求書、納品書、注文書、INVOICE)から8種類に拡充されている。

 一方のオペレーション自動化機能では、新規に提供する「PSCSクライアント」と、自社の業務用スキャナ「fiシリーズ」との組み合わせにより、読み取りボタンをワンプッシュするだけで、OCR処理・RPA自動起動など確認・修正作業以外のオペレーションを自動化できるようにしている。fiシリーズ以外のMFPやカメラで読み取った文書でも、アップロード以降の作業を自動化できるとのこと。

 加えて、新たに提供するWeb-APIを利用することで、ユーザー企業の社内ポータルや自社システムからPSCSを直接操作できるようにした。

 このほか、RPAを活用してキャプチャしたデータを業務システムに入力する際、従来はキャプチャデータにない情報を手入力する必要があったが、新たに提供されるRPA連携ツールを利用すると、社内にある各種マスタ情報とキャプチャしたデータを突合し、入力データを完成させた後にRPAを起動させることが可能になっている。

 また新型業務用スキャナの「fi-7300NX」では、インターネットを経由しPCレスでPSCSとの連携に対応するので、タッチパネルのジョブメニューにタッチするだけで、紙文書の取り込みからOCRによる情報抽出、RPAによるデータエントリーまで一気通貫で実現できるとしている。

 なお、ユーザー企業における導入・活用を促進するため、専門組織「帳票チューニングセンター」と「RPAサポートセンター」を設置することも発表した。

 このうち帳票チューニングセンターでは、帳票の読み取り精度をさらに向上するために、ユーザー企業の帳票を預かって定義チューニングする「帳票チューニングサービス」を提供するとのこと。2019年3月までは、期間限定で2帳票まで無償提供するという。

 一方のRPAサポートセンターでは、「事前検証サービス」「RPA導入サービス」により、OCR処理後のデータを、ユーザー企業が導入するRPAと連携させる仕組みを提供するとしている。

 PSCSの概算費用は、年間4万ページの処理を前提とした場合で、年間およそ100万円。日本語手書きはオプション機能になる。また別途、利用開始時の導入サービス(初期費用)が必要になるとのこと。