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倉敷中央病院とNEC、AIを用いた予防医療分野で共創を開始

約6万人分の健康診断データを分析し健診結果の予測精度向上を図る

 公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院(以下、倉敷中央病院)と日本電気株式会社(以下、NEC)は22日、倉敷中央病院が2019年6月にオープンする「倉敷中央病院付属 予防医療プラザ」(以下、予防医療プラザ)において、AIを活用した予防医療に向け、共創を開始すると発表した。

 倉敷中央病院では、人間ドックや各種健診などを行っている総合保健管理センターを新築移転し、予防医療プラザとして2019年6月に新規オープンする予定となっている。今回、倉敷中央病院とNECでは、NECのAI技術である異種混合学習技術を活用したソフトウェア「NEC 健診結果予測シミュレーション」を利用し、総合保健管理センターに蓄積されている過去5年間、約6万人分の健康診断データを分析して、健診結果の予測の精度向上に取り組むという。

 さらに、倉敷中央病院に蓄積されている診療データを組み合わせて分析し、生活習慣と診療データの関連性を検証することで、発症予測までを視野に入れた技術検証を進め、予防医療プラザで利活用することも検討しているとした。

 なお、今回利用するNEC 健診結果予測シミュレーションは、異種混合学習技術を活用し、そこから導き出された健診結果予測モデルを用いてNECソリューションイノベータが開発した製品。体重、腹囲、血圧、糖代謝、脂質代謝などの健康診断データや、運動や食事、飲酒などの生活習慣データを基に分析することによって、生活習慣病の判定に関係の深い、9種類の検査値を数年後まで予測できる。

 また、対象者が生活習慣を見直した際の将来的な検査値のシミュレーションを行うことで、対象者の行動変容を促すことが可能としている。