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ヤマハ、初のトライバンド対応アクセスポイント「WLX313」を5月に発売
接続台数の自動分散、途切れのない通信を実現するFast DFSなどを搭載
2018年4月4日 14:20
ヤマハ株式会社は4日、無線LANアクセスポイント「WLXシリーズ」において、同社初のトライバンド対応製品「WLX313」を発表した。価格は6万9800円(税別)で、5月の発売を予定する。
WLX313は、2.4GHz帯に対応した無線LANチップ×1と、5GHz帯に対応した無線LANチップ×2を搭載し、管理機能も備えた法人向けアクセスポイント。従来製品と同様、2.4GHz帯(IEEE 802.11b/g/n、最大400Mbps)と5GHz帯(IEEE 802.11a/n/ac、最大867Mbps)の2つの周波数帯(バンド)を同時に利用できるだけでなく、もう1つ別の5GHz帯にも対応するため、各バンド最大50台、合計150台の端末を同時に接続することができる。
また、2つ搭載する5GHz帯の無線LANチップをより有効に活用するための機能も備えている。1つ目は、特定の無線LANチップに接続が集中して、通信が混雑してしまう状態を避けるために、接続する端末台数を2つのチップ間で分散させる機能。アクセスポイント側が各無線LANチップに接続される端末を均等にし、端末台数の偏りを自動的に解消してくれる。
2つ目は、気象・航空レーダー波の影響を抑える機能。5GHz帯を利用する無線LAN機器はこうしたレーダーとの干渉を避けるため、運用中にレーダー波を検知した場合、速やかにチャンネルを明け渡し、そのチャンネルを一定期間使用禁止にすることが法令で定められている。
一般的な5GHz帯のアクセスポイントでは、レーダー波を検出すると最大60秒間通信が切断されるが、WLX313は2つの5GHz帯を有効に使うことで、検出後すぐに別のチャンネルへ切り替わる「Fast DFS」を利用可能なため、途切れのない通信を実現できる。なお同機能利用時は、5GHz帯無線LANチップの1つでレーダー波の監視を行うため、同時接続できる台数は100台までとなる。
このほかWLX313では、適切な通信範囲を提供するための工夫が凝らされている。ヤマハでは従来、壁掛けを想定し、製品の前方に電波を送信する内蔵アンテナを採用していたが、部屋の中央への設置したり、大きな部屋への仮設などに利用したりする場合には支障があったという。
そこで、付属の台座を使用した卓上設置に対応させたほか、水平方向にも電波を送信可能な付属のショートポールアンテナを同梱し、WLX313を中心とする全方位に電波を送信できるようにした。
また外部アンテナ端子は、電波受信の悪い環境や屋外での通信の際、別売りの外部アンテナを接続することもできる。
充実した管理者向け機能を継承
管理者向け機能については、WLXシリーズの初代モデル「WLX302」や上位モデル「WLX402」と同様、無線LANの見える化機能を搭載しており、製品周辺の電波状況をWeb GUIで簡単に確認可能。
さらに、ヤマハルータの「LANマップ」、ヤマハスイッチ製品の「LANマップLight」へ接続しているアクセスポイントの設定管理や、アクセスポイントに接続している端末の情報を確認する機能も備えている。
あわせて、複数台を設定・管理する「無線LANコントローラー」機能に対応。最大49台までのWLX313を、1台の端末で設定・管理できる。ただしWLX402のように、異なる機種を統合管理することはできない。
またRADIUSサーバーを搭載し、最大300件の端末にWPA/WPA2エンタープライズ認証を提供できるほか、認証局の機能を備えているので、EAP-TLS認証で使用する証明書を発行可能とした。
なおヤマハでは、トライバンドによる安定した通信や、無線LANの見える化などによって周辺の電波状況を把握できるといった特長を生かすことにより、一般企業のみならず、学校内でのタブレット授業に最適な無線LAN環境を実現できるとアピール。
また、同一のアクセスポイントに接続した端末間だけでなく、異なるアクセスポイントに接続した端末間の通信も遮断する新機能「AP間プライバシーセパレーター機能」により、ホテルなど、アクセスポイントを多台数設置する環境でも利用しやすくなったとしている。