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シトリックスがVDIのパートナーシップを説明、「働き方改革」に向け協業を強化
2017年12月1日 11:34
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(シトリックス)は、「働き方改革をシトリックスと」をテーマに11月30日に開催したイベント「Synergy Direct Tokyo 2017」の会場で記者説明会を開催。働き方改革への取り組みと関連して、2件のVDI(仮想デスクトップ基盤)のパートナーシップを説明した。
1つめは富士通株式会社との共同発表。富士通がCitrix製品を利用したクラウド型仮想デスクトップ(DaaS)サービス「FUJITSU Managerd Infrastructure Service 仮想デスクトップサービス VCC」を提供する。11月27日に発表され、同日に販売開始している。
2つめはレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社(以下、レノボ)および日商エレクトロニクス株式会社との共同発表。レノボのNutanixアプライアンス製品「Lenovo ThinkAgile HXシリーズ」上で、Nutanixの仮想化ソフト「Acropolis Hypervisor(AHV)」とシトリックスの「XenDesktop」を組み合わせたVDIソリューションについて、11月30日付けで協業を開始した。
「働き方改革」に向けてパートナーとの協業を強化
シトリックス 代表取締役社長の青葉雅和氏は、同社が日本で創立20周年となることに触れ、これまでのリモートデスクトップに始まるさまざまなシトリックス製品を使うことでどこからでも仕事ができるようになったとして「『働き方改革』≒シトリックス」と言ってみせた。
その営業施策は、まず「お客様の経営課題を解決する」こと。これについて青葉氏は「デジタルワークスペースの強化」「ソリューションの拡大」「働き方改革の推進をサポート」の3つを掲げた。「『“働き方改革”と言われているがどこから手をつけたらいいかわからない』という企業のお手伝いをして、働き方改革ワークショップなども開いている」と青葉氏は説明した。
もう1つは「パートナーとの協業強化」で、前述の2つの発表もこれに含まれる。「今日のイベントも20社のパートナーの協賛をいただいた。働き方改革でもいろいろなパートナーと協業していく。たとえば、パートナーといっしょに在宅勤務の労務管理のアプリケーションを作るといったこともしている」(青葉氏)。
説明会には富士通の高野徳巳氏(プラットフォームソフトウェア事業本部 ISVセンター 部長)も登場し、VCCサービスにおける協業について説明した。
背景として高野氏は、3つの点を紹介した。1つめは「Citrix導入済みのお客様ニーズに対応」。同社は以前からVDIソリューションを販売しており、「VDIを取り扱う中で75%がシトリックス製品」(高野氏)で、2011年から2016年で累計1479ユーザーがついているという。
2つめは「Skype for Businessのニーズへの対応」。これまでDaaSサービスで使っていたVDI製品ではSkype for Businessに対応できないことから、Citrix製品を採用したという。
3つめは「Windows移行商談の活性化」。Windows 7が2020年にサポート終了するのに向けたWindows 10への移行商談が活性化しており、「Windows 10対応が遅い製品もあるが、CitrixではWindows 10のアップデートに即時対応する」ことからCitrix製品を採用したという。
さらには、競争により年々下がっていく市場競争に対応。富士通の国内実績や自社内での実践といった「ならでは」と、Citrix製品のMicrosoft親和性やvGPU対応といった「ならでは」を組み合わせて、高性能、短納期、多彩メニュー、高信頼、低価格といったシナジー効果を出していきたいと高野氏は語った。
どこからでもどのアプリケーションでも使えるデジタルワークスペースの強化
説明会では、米Citrix Systems(以下、Citrix)のカルヴィン・シュー氏(プロダクトマーケティング担当バイスプレジデント)も登壇した。
シュー氏は、現在では1人がさまざまなアプリケーションを使い、さらにさまざまなデバイスを使うことから、無限の組み合わせとなって、IT担当者が管理できないという問題を取り上げた。
この問題についてのCitrixのコンセプトとして「デジタルワークスペースの強化」をシュー氏は語った。1つのログインで、あらゆるデバイスから、あらゆる場所から、あらゆるアプリを利用できる。そこではデータがローカルにあるのか、社内のSharePointサーバーにあるのか、クラウドストレージにあるのかをユーザーが意識せずに使える。ドキュメントを回覧して承認するといったワークフローも組み込まれる。さらに、ユーザーがいる場所や行動などのコンテキストに応じて情報やアプリケーションを提示する。
セキュリティ境界も、企業の内と外ではなく、個人にもとづいて守る。そのための「Analytics」では、クレジットカード会社がユーザーの行動にもとづいて不正利用を検出するのと同様に、生産性を低下させないようにしながらセキュリティを守るという。
シュー氏は「2018年から、このコンセプトに関連した製品を出していく」と語った。