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富士通とシトリックスが協業、仮想デスクトップサービス「VCC」を販売開始

 富士通株式会社とシトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(以下、シトリックス)は27日、シトリックスのサービスをライセンスを含め自社のサービスとして提供できるようになるCSP(Citrix Service Provider Agreement)契約を締結したと発表した。

 これに基づき、富士通ではシトリックスのデスクトップ仮想化(VDI)製品を活用したクラウド型の「FUJITSU Managed Infrastructure Service 仮想デスクトップサービス VCC(以下、VCC)」をの販売を開始した。

 VCCは、Windows 10をはじめとする主要OSに対応したシトリックスのVDI製品「Citrix XenApp」「Citrix XenDesktop」「Citrix ShareFile」を活用し、業務に応じたさまざまなオプション機能を選択・利用できる月額制のVDIサービスを、富士通がクラウド環境から提供するもの。

 顧客システムの資産は、富士通が運営するデータセンターにおいて拡張性やセキュリティを担保された状態で管理され、システム運用における管理業務の負担を軽減する。また、サービス導入においては、専門知識を持つ富士通の担当者がVDI環境の構築や設定、運用マニュアルの提供を行うとともに、VDI環境基盤の監視とトラブル時の問い合わせ対応を行う運用サポートを提供する。

 VCCでは、シトリックス独自の通信最適化技術「HDX RealTime Optimization Pack」により、高いリアルタイム性が求められるマイクロソフトの「Skype for Business」も快適に利用することができ、顧客の円滑なコミュニケーションを実現できると説明。また、Windows 10の約半年ごとのアップデートについても、VCCの基盤上でアップデートに関わる機能拡張を吸収し、既存の業務システムをそのまま使うことができ、OSのアップデートは、顧客の判断したタイミングで本適用が可能となる。

 Linux OSにも対応し、科学技術分野における研究や金融業界における市場分析などで多く利用されるLinuxベースのアプリケーションや、官公庁などで使われるウェブ閲覧専用の環境の利用など、Linux OSを活用した機能をVDI上で利用できる。

 また、オプション機能として、NVIDIA社のGPU仮想化技術を活用することで、高性能のGPUを必要とする機能をVDI環境上で利用できるvGPUオプション、シトリックスが提供するクラウドベースのオンラインストレージサービス「Citrix ShareFile」を富士通のデータセンターに構築したネットワークストレージから提供するクラウドストレージサービスも提供する。

 提供価格は、100ID契約時の場合で1IDあたり月額3500円(税別)。富士通とシトリックスは今後、クラウド分野の協業をさらに拡大し、「Citrix Cloud」と富士通のパブリッククラウドである「FUJITSU Cloud Service K5」を連携させ、VCCのサービスメニューをさらに拡充していくとしている。