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XenDesktopやXenAppをクラウドで――、シトリックスが「Citrix Cloud」の国内提供を開始
2017年2月28日 13:34
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(以下、シトリックス)は22日、クラウドサービス「Citrix Cloud」の国内提供を開始したことを明らかにした。同社の仮想化ソリューション「XenDesktop」や「XenApp」をSaaSでも利用できるようになる。
米Citrix Systems ワールドワイドセールス&サービス担当 エグゼクティブ バイスプレジデント カルロス・サルトリアス氏は「2017年の当社の戦略は明確。サービスのデリバリーを変革し、クラウドからもサービスを提供していく」と述べ、これまでオンプレミスで提供してきた同社のソリューションを、クラウドからも利用できるようにすると明言した。
管理プレーンはAzure上に構築も、ハイブリッドな環境に対応
シトリックスのクラウド戦略について、米Citrix Systems アジアパシフィック ジャパン セールス & サービス担当バイスプレジデント スタニミラ・コレヴァ氏は、「クラウドはトレンドでもあり、大きなチャンスでもある。お客さまはインフラに大きな投資をすることなく、当社のテクノロジーを利用できる」と述べた。
さらに、コレヴァ氏は「私たちが提供するクラウドサービスは、ハイブリッド環境でのベストなソリューション。既存のオンプレミスの環境を残しながらでも利用できる」と述べ、シトリックスのクラウドサービスを利用するユーザーの環境がオンプレ/クラウドを問わないことを意味している。
シトリックスのクラウドサービスは、「管理プレーン(サービスを提供するシトリックスのシステム)」と「展開ロケーション(利用するユーザー環境)」を分離している。管理プレーンはMicrosoft Azure上に構築されているが、ユーザー環境である展開ロケーションはオンプレミスや他のクラウドであっても利用することができる。
今回、国内での提供を開始したクラウドサービスは、XenApp&XenDesktop Service、XenDesktop Service、XenApp Secure Browser Serviceで、今後も順次サービスを追加していく予定となっている。
Microsoftとのアライアンスで2つのサービスを提供
また、Microsoftとのアライアンスにより提供されるサービスとして、「XenDesktop Essentials service for Azure」および「XenApp Essentials service for Azure」もリリース予定となっている。
展開するクラウドはAzureに限定されているが、クラウドからWindows 10 CBB(Current Branch for Business)の仮想デスクトップ環境を提供する初のサービスとなっている。なおこれらのサービスは「Azure Marketplace」経由で販売される。
またシトリックスではXenApp Essentialsについて、「マイクロソフトの『Azure RemoteApp』の後継」という位置づけであることを説明し、現在のRemoteAppのサポートが2017年8月末に終了することを明らかにしている。
今回のクラウドサービスの国内提供開始にあたり、2017年6月末までXenApp&XenDesktopサービスのプロモーションが展開される。新規顧客の100ユーザーライセンス半額、新規サブスクリプション購入分を70%引き、などの特典がある。
なお、今回のクラウドサービス開始の発表と同時に、XenApp&XenDesktopの7.13へのバージョンアップも発表された。AMD GPUサポートをはじめとして、いくつかの機能が追加/強化されている。
今回新たにシトリックス リージョナルバイスプレジデント カントリーマネージャーに就任した青葉雅和氏は、「これまでシトリックスはポイントソリューションというイメージだった。これからはトータルソリューションの提案が求められている」と述べ、今後は製造や金融といった業界別に営業組織を変更するとした。