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米Oracle エリソン会長が基調講演でクラウドの優位性をアピール (ハードウェア製品群も相次ぎ発表)

2014年はクラウド事業の転換期に~Oracle OpenWorld 2014

ハードウェア製品群も相次ぎ発表

 講演の約9割の時間が過ぎたところで、いくつかのハードウェア新製品について、矢継ぎ早に発表した。

 ひとつはOracle Zero Data Loss Recovery Appliance。昨年発表したDatabase Backup Logging Recovery Applianceの後継製品であり、同製品と同様に、エリソン会長自らが命名としたという長い名称のこの製品は、「2人のCEO昇格前に私が決めた。すぐに買ってもらえれば10%ディスカウントする」として会場を笑わせながら、データを失うことがなく、リカバリーができるアプライアンス製品であり、自動化してバックアップ、ロギング、リストア、リカバリーを行うという名称通りの機能を紹介した。

 また、Exalytics with Oracle Database In-Memoryは、Oracle Database 12cとIn-Memoryの組み合わせによって、Exalyticsの速度を100倍に高めたものであると説明。Oracle FS1 Flash Storage Enterprise SANは、16ノードのスケールアウトのアーキテクチャを持った製品であり、2014年10月に発売。「EMCのXTREAM10よりも、性能は高く、価格は半分」とした。

Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance
Exalytics with Oracle Database In-Memory
Oracle FS1 Flash Storage Enterprise SAN

 さらに、8月12日のHotChipsで発表した次世代SPARCプロセッサの「M7」を紹介し、来年にも投入する計画を公表している。これについては、「Oracleの開発チームと、Intelのチームが同じ機能をシリコンに入れるということで開発している。データベースの高速性と、セキュアな環境を維持することを狙ったものである」としたほか、「アクセラレーションエンジンを内蔵させ、クエリのスピードを10倍あげることができ、メモリアクセススピードも高めている。これは、ハード、ソフト、シリコンのエンジニアが連携して仕事をしていることから実現できたものである」と語った。

 最後にエリソン会長は、「セキュリティについては、Oracleの取り組みのなかで、最も重要なものであり、これが次の30年間に向けたわれわれの約束になる」と締めくくった。

次世代SPARCプロセッサの「M7」
M7はOracle Database 12cでは大幅な高速化を実現している

(大河原 克行)