イベント
1シャーシで最大80Tbps、ファーウェイの大規模向けバックボーンルータ
Interop Tokyo 2017展示会場レポート
2017年6月12日 12:35
最先端ネットワーク技術・製品のイベント「Interop Tokyo 2017」が、6月7日から9日まで幕張メッセで開催された。
Huaweiは、展示会場の中でも最大規模のブースを構えていた。また、ShowNetの設備でも多くのファーウェイ製品が使われていた。
ShowNetのエクスターナルルータの1つとして使われたバックボーンルータ「NE9000」は、Huaweiのブースでも大々的に展示されていた。42Uラックより大きな筐体で、ラインカード1枚で100Gigabit Ethernet(GbE)を40ポート、計4Tbpsに対応している。スロット数は20のため、1シャーシで最大80Tbpsの容量を持つ。
ブースでは、NE9000の中をVRF(Virtual Routing and Forwarding)により20の仮想ルータに分け、それらを直列につないで100Gbpsのトラフィックを流すところをデモしていた。
説明員によると、技術ポイントは、自社開発のネットワークチップ、放熱技術、基盤上の配線で電波ノイズが発生するのを避けたケーブルバックプレーンの3つだという。より小型の光モジュールが実用化されれば、同じシャーシのまま400GbE多ポートに対応することも可能になるだろう(1ラインカードで最大8Tbps)とのことだった。
【お詫びと訂正】
- 初出時、「光モジュールの標準化を待って」と記載しておりましたが、仕様はすでにいくつか登場しており、正しくは「より小型の光モジュールが実用化されれば」となります。お詫びして訂正いたします。
なお、4Tルーティングラインカードは、Best of Show Awardの「キャリア/ISPネットワーキング」部門で準グランプリを受賞した。
NVMeにも対応するオールフラッシュストレージ
「OceanStor Dorado V3」はオールフラッシュストレージだ。NVMeとSASに対応した「OceanStor Dorado 5000 V3」(8月リリース)と、SASに対応した「OceanStor Dorado 6000 V3」(6月リリース)の2モデルからなる。
SPC-1ベンチマークで100万IOPSを0.5ミリ秒のレイテンシで実現したという。また、インラインの重複排除・圧縮に対応する。さらに、RAID-TP(triple parity)サポートや、アクティブ-アクティブ構成のマルチコントローラなどにより、99.9999%の可用性を実現しているという。
なおOceanStor Dorado V3はShow Net Awardの「サーバー&ストレージ」部門でグランプリを受賞した。
「FusionServer X6000」は、2U筐体に4台のノードを搭載する高密度サーバーだ。1ノードあたり6スロット(計24スロット)のストレージを搭載し、それらはすべてNVMe・SAS・SATAの3種類に対応している。
そのほか、自社生産のSAS SSDや、M.2 NVMe、カード型NVMeのラインアップを展示。そのSSDコントローラチップやネットワークチップも展示していた。
ブースの奥では、社内のリライアビリティテスト(信頼性試験)の様子をビデオで紹介。その中から振動検査をブースで再現し、I/O負荷をかけたサーバーを激しく揺らしながら動作させていた。
IoT関連のデモも
IoTコーナーでは、「SoftRadioによるE2EのNB-IoTサービスクィック開発キット」と、「OceanConnect IoTプラットフォーム」をデモしていた。
SoftRadioは、NB-IoT(低電力のLTE通信)のシステムを開発するのに、実際のネットワークと通信モジュールのかわりに、マイコンからシリアルでPCに接続してエミュレートするものだ。また「OceanConnect」は、IoTのクラウドプラットフォームだ。両者を組み合わせて、スマートメーターなどのIoTシステムを世界各地ごとの通信ネットワークに合わせて開発できるという。
Huaweiでは、14業界の28社とNB-IoTのパートナーを結び、国際的なオープンラボで検証を実施している。日本からは村田製作所が参加している。
なお、「SoftRadioによるE2EのNB-IoTサービス クィック開発キット」はBest of Show Awardの「デモンストレーション」部門のグランプリを受賞した。
ソニービジネスソリューションによる映像伝送のデモも展示されていた。同軸ケーブルのかわりにネットワークを使うもので、同社のSDI-IPコンバーターボード「NXLK-IP40F」と、HuaweiのCloud Engineスイッチを使って実演されていた。
説明によると、東京オリンピックでいくつもの会場から映像を送るときなど、中継車のかわりにカメラマンのみで現地から中継できるという。