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第3世代SSL/TLS専用ハードウェア搭載の最新のADC/セキュリティ製品を展示~A10

Interop Tokyo 2017展示会場レポート

 最先端ネットワーク技術・製品のイベント「Interop Tokyo 2017」が、6月7日から9日まで幕張メッセで開催された。

 A10のブースでは、同社のADC(アプリケーションデリバリコントローラ)製品およびその応用ソリューションを展示していた。

 ブース正面では、5月に発表された第4世代Thunderシリーズを展示し、その中でもThunder 4440で負荷テストをデモしていた。

 説明によると、最大の特徴は、SSL/TLS通信でのPFS(Perfect Forward Secrecy)暗号化の高速化だという。処理負荷の高いPFSに対して、SSL/TLS専用ASICハードウェアと、OSであるACOSのチューニングにより、高速化をはかった。会場では実際にトラフィックをかけ続けて安定動作しているところが実演されていた。

 なお、Thunder 4440はBest of Show Awardの「パフォーマンスオプティマイゼーション」部門でグランプリを受賞した。

Thunder 4440やThunder 14045の実演。Thunderシリーズの下には負荷をかけるテスト装置が見える
第4世代ThunderシリーズのThunder 5840の内部。SSL/TLS専用ASICも見える
PFSの性能の説明。右に、負荷をかけるテストの結果が表示されている

 また、同時に展示と実演がなされた「Thunder 14045」は、モバイルキャリアのGi/SGiファイアウォール機能を搭載した攻撃防御製品の最上位モデルだ。

 特徴としては、IPv4+CGN(キャリアグレードNAT)とIPv6をいっしょに扱うことだという。総務省の方針により国内モバイルキャリアもIPv6対応することになった。それに対し、IPv4+CGNとIPv4、ファイアウォール機能に1台で対応することで、管理ノードを減らし、ファイアウォールのルールもIPv4とIPv6を並べて書けるという。

 パフォーマンスでは、18コアCPUをハイパースレッドにより144コアとして利用。300Gbps以上のスループットと5億1200万同時接続を実現するという。会場では実際にトラフィックをかけ続けて、高速動作を実演していた。

 なお、Thunder 14045は、Best of Show Awardの「キャリア/ISPネットワーキング」部門でグランプリを受賞した。

Thunder 14045の紹介
Thunder 14045の負荷テストを実演。300Gbps超のスループット

 SSL可視化とマルウェア対策のコーナーでは、ゲートウェイ型マルウェア対策製品がデモされていた。SSL可視化によりエンドポイントでなくゲートウェイでマルウェアをチェックするものだ。Cylance社のマルウェア検知技術を搭載しているという。

 デモでは、マルウェアが含まれるPDFファイルをダウンロードしようとすると、かわりに警告レポートのテキストがダウンロードされるところを実演した。

SSL可視化によるマルウェアチェック
マルウェアを検知してダウンロードが警告レポートにさしかえられた

 クラウドサービス型ADC「Lightning」と「Harmony Controller」についても展示されていた。マルチクラウド対応で、オンプレミスのThunderも統合できるという。また、クラウドアプリケーションのデプロイ手法である「Blue-Greenデプロイメント」のトラフィック振り分けにも対応しているという。

 「DDos of Things防御」という参考出展コーナーでは、IoT機器を使ったDDoS攻撃をネットワークで止めるところをデモしていた。フロー情報からからアタックを検知し、ルールを追加して攻撃パケットを落とすというものだ。キャリア向け製品のaGalaxy TPSによるデモがなされた。

 「Office 365高速化」の展示はThunderのプロキシ機能を使ったクラウドサービス高速化のソリューションだった。インターネット経由のOffice 365へのトラフィックを検知し、Azureとの専用接続サービスExpressRouteに向けることで、アクセスを高速化する。すでに、カシオ計算機の導入事例が公開されているという。

クラウドサービス型ADC「Lightning」と「Harmony Controller」
「DDos of Things防御」デモ
Office 365高速化の展示