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フルマネージド中心のラインアップが開発者に生産性を与えていく――、ボーガスCTOから「AWS re:Invent 2016」参加者へのメッセージ
AWS re:Invent 2016キーノート
2016年12月7日 06:00
アプリケーション開発のミッシングピースを埋めていく
アプリケーション開発者を支援するためにAWSがもっとも重要視しているのは"アジリティ"の概念である。AWSに限らず、パブリッククラウド導入企業の間ではDevOpsが開発の主流となりつつあり、開発者支援も当然ながらいかにアジリティを高めるかがポイントとなる。
ここでボーガスCTOが発表したのは以下の7つのマネージドサービスだ。
・AWS OpsWorks For Chef Automate:フルマネージドなChefサーバ(GA)
・Amazon EC2 System Manager:EC2管理のためのツールコレクション(GA)
・AWS CodeBuild:フルマネージドなビルドサーバ、Jenkinsのオルタナティブ(GA)
・AWS X-Ray:本番稼働中のアプリケーションの中身を可視化(プレビュー)
・AWS Personal Health Dashboard:障害系の通知をダッシュボードで表示(GA)
・AWS Shield for Everyone:L3/L4レイヤの攻撃を自動でモニタリング/検知(GA、無料)
・AWS Shield Advanced:より洗練された大規模な攻撃からの防御(GA、有料)
AWSは、これまで同社が提供する開発者向けのツールが"Well-Architected Framework"であるための条件として、「セキュリティ」「信頼性」「パフォーマンス効率」「コスト最適化」の4つを掲げてきたが、ボーガスCTOはここで5つめの特徴として「オペレーショナルエクセレンス(運用の効率化)」を追加している。
オペレーショナルエクセレンスを実現するためにはインフラの自動化、コード開発におけるCI/CO(Continuous Integration/Deployment)の追求が欠かせないことから、今回のサービスアップデートに至ったとしている。
「これまでのAWSのデベロップメントエリアに足りなかったミッシングピースをこれらのサービスによって埋めることができた」(ボーガスCEO)。
7つのアップデートのうち、X-Rayだけがプレビュー版としての提供になるが、これもいままでのAWSにはなかったタイプのサービスとして注目される。
X-Rayでは、エージェントをアプリケーションに埋め込むことで、コンポーネントの状態をグラフィカルに可視化することができる。たとえば分散環境で障害が発生した場合、どのアプリケーションにインシデントが起こったのか、これまでは個別にログを確認する必要があったが、X-Rayであれば、レスポンスやレイテンシの状況を、あたかもX線をあてるように可視化してチェックできるようになる。
マイクロサービスであっても一元的なトレースが可能だ。ボーガスCTOはX-Rayにより、これまでブラックボックスだったアプリケーションをホワイトボックス化できる点を強調している。