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米Microsoft、サティア・ナデラCEOが基調講演で「デジタル変革」への進展示す
パートナーカンファレンスをカナダ・トロントで開催
2016年7月12日 11:55
コンピュータサイエンスの“夢”が現実になる
3つめのパーソナルコンピューティングでは、この1年の間に、Windows 10が大きな進展をみせたと説明。さまざまなデバイスで活用できる環境にあることを示しながら、「デジタルトランスフォーメーションは、デバイスがなければ実現しない」とし、デバイスの重要性を示しながら、Windows 10で動作するHoloLensについて説明。
「HoloLensによって、インプットの方法と、アウトプットの方法が変わる瞬間が訪れている。HoloLensは、ミックスドリアルティという新たな世界を実現するものであり、リアルの世界にデジタルの世界を融合。コンピュータサイエンスの夢とされていたものが現実のものになる。究極のコンピュータである」と位置づけた。
ここでは、日本航空によるHoloLensの活用事例を実演した。
日本航空では、整備士やパイロットのトレーニングに、HoloLensを活用。トレーニングの場に実物大のジェットエンジンを持ってくることができないという場合にも、HoloLensを使用することで、いつでも、どこでもトレーニングができる環境を実現している様子をみせた。
会場では特別なカメラを使用し、目の前に実物大のエンジンが表示されている様子を再現してみせた。
「これは世界を大きく変えるものである。今後、ビジネスアプリケーションやエンタープライズアプリケーションに、ミックスドリアリティをどう適用できるのか。それを期待してほしい」とした。
最後にナデラCEOは、昨年、世界各国を訪れたことを振り返りながら、ケニアの農村部のインターネットカフェでは、物理の宿題を欧州の子供と一緒にやっているシーンに出会った事例のほか、チリに行った際には、フィジカルセラピーが遠隔地でも利用できる環境を実現していること、アラブ首長国連邦では聴覚障害が学生に対して、Office 365で教育を行っている例など紹介し、デジタルが世の中を変えている例を示した。
さらに、Microsoft Philanthropiesと呼ぶ慈善活動を開始し、NPOに対して、年間10億ドル以上の技術と資金を提供していることに触れながら、「これらの資金や技術は、教育に活用したり、自然災害や人災への支援などに活用している。多くの人に対して、均一にチャンスが与えられる環境をつくりたいと考えている。米国では、ミネアポリス、ルイジアナ、ダラスで、黒人と警官による問題が発生したが、意味のない暴力が起こってはいけない。Microsoftは、すべての人のために世界を変えようとしている。多くの人が共感できる社会をつくり、すべての人に対してビジネスチャンスを提供したい」と語り、講演を締めくくった。