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成功しているパートナーが持つ4つの特性とは――、WPC 2016 3日目基調講演

 米Microsoftが、カナダ オンタリオ州トロントで開催中のパートナー向け年次イベント「Microsoft Worldwide Partner Conference 2016(WPC 2016)」。会期3日目となった7月13日(現地時間)の基調講演では、同社のパートナー戦略などについて説明が行われた。

 当初予定では、例年通りケビン・ターナー(Kevin Turner) COOが講演し、パートナー戦略について説明する予定であったが、開催直前の7月7日に突然の辞任が発表され、現在、COOは空席のまま。この日の基調講演の代役を誰が務めるのかが、注目を集めていた。

2017年度は6つの優先課題に取り組む

 ターナー前COOの代役を務めたのが、ワールドワイドコマーシャルビジネス エグゼクティブバイスプレジデントのジャドソン・アルソフ(Judson Althoff)氏だ。ターナー氏の直接の部下だった人物である。

ワールドワイドコマーシャルビジネス エグゼクティブバイスプレジデントのジャドソン・アルソフ氏

 アルソフ氏は、2017年度(2017年6月期)における6つの優先課題として、「顧客のデジタルトランスフォーメーションの推進」「クラウド活用の推進」「法人分野でのWindows 10の普及」、「データカルチャーの醸成とデータプラットフォーム(SQL Server)の拡大」「ISVとSIによるクラウド時代のパートナーシップ」「最新デバイスによる新たなエクスペリエンスの実現」を挙げ、これらに取り組む姿勢を示した。

2017年度の優先課題

 デジタルトランスフォーメーションの推進においては、CEOの86%がデジタル化が重要であると回答していることなどを示しながら、デジタルトランスフォーメーションの実現においては、「お客さまとつながる」「社員にパワーを」「業務を最適化」「製品を変革」の4つのキーワードが重要であり、これにMicrosoftが掲げる「プロダクティビティとビジネスプロセス」「インテリジェントクラウド」「革新的なパーソナルコンピューティング」という3つのアンビションとの組み合わせの重要性を改めて強調。「顧客のライフタイムバリューにフォーカスすることが大切である」などとした。

デジタルトランスフォーメーションにおける4つのキーワード
3つのアンビション
この2つの組み合わせの重要性をアピール

 クラウド活用の推進においては、Azure、Office 365、Dynamics 365の3つのクラウドサービスの強みについて説明。Azureについては、Amazon Web Services(AWS)にはできない5つの要素として、ハイブリッドであり、信頼性が高く、ヘトロジニアスであり、データと分析機能に優れ、パートナーエコシステムを持っている点を挙げた。

 「Azureで利用されている環境の3分の2がオープンソースである。また、AWSからAzureへと移行が進んでいるのは、Microsoftが、パートナーと一緒にビジネスをやっているからだ」と、パートナー戦略の成功がAzureの事業拡大につながっていることを示す。

 Office 365についても5つの特徴を挙げ、ここでは、フル機能を提供していることやヘトロジニアスであること、音声やビデオ、翻訳機能を提供していること、エンドユーザーの現場環境で利用できること、Office 365そのものがプラットフォームであること、セキュリティが強化されていることなどに言及。これらを「Google Appsにはできないこと」と位置づけた。

Microsoft AzureとOffice 365の5つの特徴

 さらに、Dynamics 365については、salesforce.comにできないこととして、Office 365との統合のほか、PowerBIやCortanaといったインテリジェンス機能を利用できること、柔軟性を持っていること、信頼性の高い環境を実現していること、デジタルトランスフォーメーションを支援する機能を持っているといった5つの要素をあげた。

Dynamics 365の5つの特徴

 「共通しているのは、セキュリティとプライバシーに最も力を注いでいる点。これがMicrosoftクラウドの最大の特徴でもある。その象徴ともなるのが、Enterprise Mobility Suiteである」などと語った。

 「法人分野でのWindows 10の普及」では、すでに3億5000万人以上がWindows 10を使用していることに触れ、「これは、パートナーにとっても大きなチャンスである。エンタープライズで活用するための優れた機能を持ち、ウェアラブルからスマホ、タブレット、PC、大画面ディスプレイを搭載したデバイスまで、幅広い環境で利用できる。エンタープライズに入るための一番の近道がWindows 10である」と述べた。

すでに3億5000万人以上がWindows 10を使用しているという

 「データカルチャーの醸成とデータプラットフォーム(SQL Server)の拡大」では、「企業にとっては、データこそが新たな知財になっている」と前置きし、「データはスマートでなければいけない。SQL Server 2016は、データの民主化が行えるとともに、ハイパフォーマンスなコンピューティング環境を、競合製品に比べて10分の1の投資ですませることができる。データを中心とした成長の基盤になるのがSQL Server 2016」として、セキュリティ強化やインメモリ対応などの10の特徴をあげてみせた。

 今回のWPC 2016では、データ活用の重要性について繰り返し発言が行われており、その中核製品のひとつになるのがSQL Server 2016ということになる。

競合製品と比べて大きなコストメリットがあるという
SQL Server 2016の10の特徴

 また、「ISVとSIによるクラウド時代のパートナーシップ」においては、「Microsoftにとっては、パートナーが重要であり、むしろ、いまこそがパートナーを一番重視している」と発言。「パートナーは、知財を活用したISVと、サービスモデルとしてソリューションを提供するSIとに分かれる。今回のWPC 2016におけるさまざまな発表でもわかるように、ISVへの投資を強化しており、先頃、App Sourceを発表した。これは、パートナーが優れたソリューションを構築するために提供するものであり、パートナーにとってのメリットが大きい」とした。

 そして、最後の「最新デバイスによる新たなエクスペリエンスの実現」では、「デジタルトランスフォーメーションは、ハードウェアがなくては実現できない。Windows 10は様々なデバイスで利用できる」などと語った。

 アルソフ氏は、「顧客を成功に導くことが大切であり、我々は、そこに力を注がなくてはならない。自分たちは、その準備が整っているのか、それを日々検証していくことが必要だ。いまこそがチャンスである。私は、みなさんのための仕事をしたい。みなさんを成功させたい」と述べている。