イベント

Red Hat Summit 2016にMicrosoftが登壇、SQL Serverをデモ

“Microsoft Loves Linux”をアピール

 6月28日(米国時間)から30日まで、米Red Hatのカンファレンス「Red Hat Summit 2016」が米国サンフランシスコのMoscone Centerで開催された。

 3日目午後のジェネラルセッションには、Microsoftが登壇して自社のデータベース管理システムSQL Serverをデモするという光景が見られた。

 Microsoftはかつて、Linuxやオープンソースと敵対する立場にあった。そのMicrosoftは最近クラウドやモバイルへのシフトを掲げ、Linuxやオープンソース関連も手がけるように変わってきている。

 MicrosoftのJoseph Sirosh氏は、光学望遠鏡の画像によって宇宙の地図を作る「Sloan Digital Sky Survey(SDSS)」プロジェクトではMicrosoftのSQL Serverが使われていると紹介し、「この惑星で最高のデータベースだ」と自負を語った。

 このSQL Serverは、これまでWindowsプラットフォーム上で動くものだったが、2016年3月にLinux版のプライベートプレビューを公開した。当初はUbuntu版のみだったが、後にRed Hat Enterprise Linux(RHEL)版とSUSE版が追加された。Sirosh氏によると、プライベートプレビューには1万5000以上の登録があるという。

 ここで、Tobias TernstOm氏によるデモが行なわれた。ちなみにデモにはMacBookが使われた。

 まずはSDSSの莫大なデータから対象物を探すデモで、青方偏移している天体を検索したり、天体画像をランダムフォレストによる機械学習で分類したりするところを見せた。

MicrosoftのJoseph Sirosh氏
MicrosoftのSQL Serverが使われているSloan Digital Sky Survey(SDSS)
Linux版SQL Serverのプライベートプレビュー
Tobias TernstOm氏によるデモ
青方偏移している天体を検索するSQL(左)とその結果(右)
天体画像をランダムフォレストによる機械学習で分類

 続いてデモはRHELのコマンドライン画面に移り、そこでLinux版のSQL Serverのデモが行なわれた。まず、RHELのソフトウェアパッケージ管理のyumコマンドで「mssql-server」をインストール。「sqlserver-setup」コマンドでセットアップしてライセンス条項を承諾し、RHELのサービスを起動するsystemctlコマンドで「mssql-server」を起動し、「mssql」コマンドでコマンドラインのSQL Serverクライアントを実行した。

 見ていて、「mssql」と「mysql」の字面が似てることもあり、まるでMySQLのサーバーとクライアントをインストールして実行しているかのようだった。

 TernstOm氏は、OpenShift上のSQL Serverも見せ、「RHEL上のDockerコンテナーでSQL Serverが動き、そこにMacBookのGoogle Chromeでアクセスした」とマルチベンダーぶりを語って、会場の喝采を浴びた。

 Sirosh氏はそのほか、Linuxで動く.NET Core 1.0とASP.NET Core 1.0が正式リリース(GA)となったことも紹介。「Microsoft Loves Linux」と新しいMicrosoftをアピールした。

RHELのyumコマンドでSQL Serverをインストール
セットアップしてライセンス条項を承諾
SQL Serverのサーバーを起動してクライアントからアクセス
OpenShift上のSQL Server
Linuxで動く.NET Core 1.0とASP.NET Core 1.0の正式リリース(GA)など、MicrosoftとLinux