大河原克行のキーマンウォッチ
データ活用ニーズに最適な基盤を提供できていることが成長の理由――、Snowflake東條英俊社長
2023年1月5日 06:15
「データクラウド」を提唱するSnowflakeが、日本で急成長を遂げている。データ活用のニーズが拡大するなか、Snowflakeは、マルチクラウドで利用できるデータウェアハウス(DWH)サービスをプラットフォームとして提供。企業内に分散するデータを一元的に集約し、管理するほか、異なる組織間でデータを瞬時に安全に共有でき、顧客やビジネスパートナーとの間でライブデータを共有する環境を実現することで、企業のDX推進を下支えしている。2022年は、マーケットプレイスの本格化など、新たな取り組みの相次ぐ発表も注目を集めている。2019年に日本法人を設立してから、4年目に入った同社は、その成長をさらに加速させることになりそうだ。
日本市場におけるSnowflakeの取り組みを、同社・東條英俊社長に聞いた。
国内で注目を集めている理由
――日本でSnowflakeが注目を集めている理由を、どう自己分析していますか。
周知のとおり、DXの進展に伴い、データ活用に対するニーズが加速しています。もちろん、データ活用のニーズは10年以上前からありましたが、そのときとはデータの量も質も大きく異なり、求められる要件も変化しています。こうした高まるデータ活用へのニーズや新たなニーズに対して、Snowflakeが最適なプラットフォームを提供していることが、いまの成長の最大の理由だと思っています。お客さまが扱うデータ量は日々増加していますし、Snowflakeに対するお客さまの理解も進んでいます。この3年間の日本での活動を通じて、Snowflakeへの期待がますます高まってきていることを実感しています。
現在、社名を公表できる国内ユーザー数は約90社ですが、実際には、300社以上の国内ユーザーにSnowflakeをご利用いただいています。業種・業界は多岐に渡り、ユースケースも多様で、製造業ではIoTを活用したデータレイクや、金融機関ではインフラデータ基盤に採用するといった事例もあります。またスタートアップ企業のように、すべてのワークロードがクラウドで動いているクラウドネイティブ企業は、Snowflakeのサービスとは高い親和性があり、Snowflakeの価値を理解してもらいやすいともいえます。
大手企業でも、事業部門ごとにデータ分析を行う例は多いものの、ここにきて、事業部門を横断してデータを活用しないと顧客の真の姿を理解することができないことに気がつきはじめたCIOが増え、お客さまを訪問すると、部門や企業を超えたデータ連携の話題になることが増えました。しかし、部門ごとに構築したシステムを、一気に刷新するわけにはいきませんし、これまであるものを生かしながら、全社でデータを使えるようにする方法を考えなくてはなりません。そこにもSnowflakeの強みが発揮できます。
Snowflakeの特徴は、小さくスタートできるため、プロジェクト単位でデータ分析をしたり、クイックにPDCAを回してDXの効果を計ったりしたいといったPoCのような場合にも、すぐに導入ができる点です。サインアップして5分で始められるという手軽さ、使い勝手の良さ、コストパフォーマンスの高さが評価されています。
ここで一度手応えを感じると、今度は、ビッグデータで活用してみたいという話になります。Snowflakeは、大容量データを扱うことができる高い性能を持ったプラットフォームであり、数百PBのデータであっても、数十万人の従業員のデータを扱うことになっても、パフォーマンスを落とすことなく処理ができます。
またオンプレミスなどのデータベース管理では、データベースアドミニストレータがメンテナンスや最適化のために多くの工数を割かなくてはならない課題がありますが、Snowflakeが提供するフルマネージドサービスにより、自動化を進めることができ、運用負荷は大幅に削減できます。あるお客さまでは、5人でやっていた運用管理の作業が、0.5人で済むようになったという実績があがっています。この結果、データの活用を促進しながら、IT部門の人たちを、より戦略的な部分に割り当てることができるようになります。
激しい競争環境を生き抜くためには、データを分析した先には、売り上げを伸ばす、コストを削減するといった効果に、確実につなげる必要があります。そして、扱うデータは、プライバシーやガバナンス、アクセス権などの問題をしっかりクリアにし、安心、安全でなくてはいけません。Snowflakeは、こうした機能を実装しています。お客さまがやりたいことは多岐に渡りますが、それらの広い要求にSnowflakeは応えることができるプラットフォームとサービスを整えています。
Snowflakeが打ち出す「データクラウド」の意味は?
――あらためて、Snowflakeが打ち出している「データクラウド」の意味を教えてください。
Snowflakeの最大の特徴は、インフラを選ばないことです。AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)を使っているお客さまが、Snowflakeを利用すると、クラウド上に、データ分析基盤が作られ、インフラが異なっていても、組織がまたがっていても、Snowflakeというレイヤーにおいては、データの交換、共有が簡単にできるようになっています。
データセットのつながりをデータのネットワークと位置づけ、これが「データクラウド」の基本的な考え方になります。データ同士が簡単につながると、データ共有が活発化するという流れが自然に発生します。それが加速すると、今度は、点であったSnowflakeのお客さま同士が、線として結ぶつくようになります。これはお客さま同士でのデータの共有や交換が発生するということです。データの交換は、一方向かもしれませんし、双方向化という場合もあります。こうした線としての活用が世界規模で増えています。
Snowflakeは、この線をステーブルエッジと呼んでいます。一度だけ、データを共有したというレベルではなく、最低6週間以上に渡り、アクティブにデータ共有が行われている状態を指します。ステーブルエッジは、2020年には全世界で373だったものが、2021年には674に増え、2022年には1550に達しています。きっと、すぐに2000に到達するでしょう。Snowflakeであれば、インフラも選ばず、他国にあるデータも、国内にあるのと同じように活用し、共有することができます。ステーブルエッジの増加は、「データクラウド」としての活用が、世界中に広がっていることを示すものだといえます。
――日本では、外部データの活用はどれぐらい広がっているのでしょうか。
これは、まだまだですね。Snowflakeでは、データ活用を3つの円で示しています。3重円の中央にあるのは、それぞれの企業が保有しているデータです。ここでも、Snowflakeは役割を果たすことができます。分散化した環境にデータがそれぞれに置かれるのではなく、単一プラットフォーム上で、すべてのデータを管理することができます。
そのまわりにあるのが、業界特化共創データです。企業グループや関連会社、サプライチェーンを構成する取引先、あるいは業界内に限定した形でデータ共有を行うというものです。その様子は、外からはよく見えませんが、なかに入ると日々活発にデータの共有が行われているという世界です。サプライチェーンであれば、部品の在庫がどこで滞っているのかをリアルタイムで理解し、必要な場所に、機動的に在庫を配置しなおしたり、これらの情報をもとにして、生産量のコントロールをしたりといったことが可能になります。コロナ禍でのロックダウンや、ウクライナ情勢などにより、サプライチェーンの再構築は多くの企業にとって課題となっており、エコシステムのなかで、データ活用ができる基盤の整備は大きな鍵になっています。
そして、一番外側は一般データであり、マーケットプレイスによって提供されたり、オープンデータとして提供されたりする部分になります。これによって、必要なデータを、必要なときに連携し、必要なところで活用していくシーンが増えていくことになります。
自社のデータだけでなく、幅広いデータを活用するという動きは、これから一気に加速していくでしょう。そこに対して、Snowflakeはプラットフォームを提供していきますが、こうした大きな潮流においては、Snowflakeができることには限界があります。
Snowflakeは、データレイクやデータウェアハウス、データサイエンスのためのプラットフォームは提供できますが、アプリケーションやツールと組み合わせないとデータ分析ができません。BIツールやETLツールのほか、データをクレンジングする仕組みも必要です。これらのノウハウを持つベンダーとのアライアンスを強化し、どんなニーズに対しても、組み合わせによって、お客さまに使っていただける環境づくりをすることが、Snowflakeの役割です。あらゆるニーズを持ったお客さまに対して、Snowflakeを使ってもらえる環境を準備しておくところに力を注いでいきます。
例えば、さまざまなデータのタイプをSnowflakeで扱えるように努力をしており、構造化データだけでなく、JsonやXMLなどの半構造化データ、さらにはさまざまな非構造化データもSnowflakeに格納して利用することができ、膨大なデータを整理する際にも役に立てるようにしています。
Snowflakeプラットフォームに、テクノロジーやアプリケーションを提供する企業と、それらをインテグレーションしてお客さまに提供するSIerとが連携することにより、ベスト・オブ・ブリードによる提案が可能になります。これこそが、お客さまが、速く成果を出し、成功につながりやすいことを、Snowflakeは体験的に理解しています。また、すべてのデータをSnowflakeで行うと、データの透明性があがり、流通がスムーズになるというメリットも提供できます。
日本では、外部データを取り込むことによる高度化したデータ利用はこれからです。Snowflakeが積極的に提案していかなくてはならない領域だと考えています。
データを掛け合わせる「マーケットプレイス」の手応えは?
――いよいよ日本でもSnowflakeマーケットプレイスを本格化しました。手応えはどうですか。
日本でも、データを収益化したいというニーズは少しずつ増えていますが、米国に比べると、その差はまだまだ大きいと言わざるを得ません。私は、「2022年は、データビジネスの元年になる」と予測したのですが、元年と言い切れるほどの成果が出たとは言えない状況です。ただ、ここにビジネスチャンスがあることに気がついている経営者が増え、データの収益化を考えている人たちと話をすると、一歩も、二歩も先を考え、手を打ちはじめていることを感じます。
Snowflakeマーケットプレイスは、そこにデータを置いてもらうと、Snowflakeを利用しているユーザーが、自社のデータと組み合わせた分析が可能になります。気象に関するデータや、経済や株式に関するデータ、消費財に関するデータなどが用意されています。日本のマーケットプレイスに参加した企業として、東芝テック、インテージ、Tangerine、xMAP、エム・データ、メディカル・データ・ビジョン、QUICKの7社があり、さまざまな種類のデータがそろいました。気づきを持ってもらうためのマイルストーンとなり、ここから事例が出てくることで、マーケットプレイス上には、さらに多くのデータがそろってくることを期待しています。
例えば、金融データを、小売や製造、航空業界などのこれまでには想定していなかった異業種企業が購入するといったことも考えられます。いまは試験的に無償で提供していますが、課金の仕組みを用いることで、データをマネタイズするビジネスへと移行できます。データを提供する側にも変化を及ぼす仕組みになります。
――ただ、どのデータ同士を結びつけると、どんな効果が生まれるのかはわかりません。この部分に対するコンサルティングなどは行うのですか。
それはSnowflakeではやりません。むしろ、ほとんどの成功ケースは、お客さまからヒントを得て、それを横展開していくということになります。ただ、そうした情報を共有するための活動は積極的に行っています。グローバルの先進ユースケースの紹介のほか、Data Polaris BootcampやSnow Campといった活動では、データクラウドの理想とはなにか、データ利活用の方法はどうすべきか、そして、データクラウドはどこから始めるべきかといったことを議論しながら、Snowflakeの使い方を学び、ハッカソンのようにアイデアを生み出していく取り組みを開始しています。こうした活動が起点のひとつとなって新たなデータ活用が広がっていくと思っています。
――東條社長が言及したように、日本では、データ活用や、マーケットプレイスを活用したデータの流通に遅れを感じます。この理由はなんでしょうか。
日本の企業には、データを抱え込みたいという、心理的な部分がまだ強く残っているのかもしれません。データ活用やデータ流通にリソースが投入されていないことが多く、それを考えるチームがなかったり、社内データの分析だけで十分と考えていたりといった様子も見られます。また、社内の文化が足かせとなって、データの活用や流通に消極的になっている企業もあります。データの価値に気がついている企業と、気がついていない企業が、まだら模様に存在しているのが現状ではないでしょうか。同じ業界のなかであれば、この差が企業の競争力の差につながる可能性もあります。
また、日本には多くのオープンデータがあります。調べてみると、経済産業省だけでも、1万件ほどありますが、実はそのほとんどがPDFなんです。しかも、更新頻度が1年に1回というデータが約25%を占めています。このあたりをなんとかしないと、日本のデータ活用は広がっていかないのではないでしょうか。
OLTPの世界に踏み出す決意を示した「Uni Store」
――2022年のSnowflakeの発表のなかでは、Uni Storeが大きな注目を集めました。これによって、データクラウドの世界はどう進化しますか。
Uni Storeは、単一のプラットフォームでトランザクションデータと分析データを組み合わせて利用する画期的なアプローチとなります。言い換えれば、Snowflakeが創業以来フォーカスしてきたOLAPの分析の世界とはまったく異質となる、OLTPの世界に踏み出す決意を示したものになります。
Uni Storeの中核となるのは、ハイブリッドテーブルです。これは、分析用途にも、トランザクションにも利用できるという夢のようなテーブルであり、Snowflakeとは別にOLTPを導入する必要がなくなり、運用性、コスト、スピードが大きく変わることになります。海外では、すでにいくつかの先行ユースケースが発表されています。
金融サービスでは、ETLのプロセスを排除して、顧客のトランザクションをほぼ即時に分析し、詐欺や個人情報の盗難を検出することができるようになります。ここでは、お客さまが持つトランザクションデータと、サードパーティの社会経済データを統合し、データに基づき、迅速で、正確な融資決定を行うこともできるようになります。
また、小売業者では、機械学習から得た購入の推奨事項と、顧客トランザクションを統合、分析し、顧客をより適切に分類して、より正確なアップセルおよびクロスセルのオファーを提供しています。そのほかにも、Adobe、UiPath、IQVIA、Novartis、Woltなどが、早期にUnistoreを導入したことが発表されています。
日本の企業からの反応も上々です。特に、すでにSnowflakeを導入しているお客さまからの反応が大きく、金融機関のお客さまからは、「とても期待しているよ」という声もいただいています。現在は、プライベートプレビュー中であり、GAは来年度中を目指しています。
――開発環境における進化も大きな動きが見られました。
SQLにとどまらず、JavaやPythonを、データサイエンティストやデータエンジニア、アプリケーション開発者が活用することが可能になりました。共有データやマーケットプレイスから得たデータを加工したり、仮説を得たり、機械学習モデルを作ったりといった際には、プログラミングが必要になりますが、2022年の発表で、言語の幅が広がることになります。
また、データを活用する際には、ロジックやアプリケーションも大切です。Snowflakeでは、これを切り離さずに、データとセットで考えています。その取り組みのひとつが、Native Applicationsです。これをマーケットプレイスの上に置くことができます。実は、これまでは、「Snowflakeデータマーケットプレイス」という名称だったのですが、こっそりと「Snowflakeマーケットプレイス」に名称を変更しています(笑)。
ここにはNative Applicationsにも取り扱いの範囲を拡大するという意味があり、データセットと一緒に使うと便利なアプリなどを、Native Applicationsとして提供し、より高い利便性を提供することができます。アプリケーション開発企業を対象に、Native Applications Acceleratedプログラムを展開しており、日本においてもアプリケーションをマーケットプレイスで流通する仕組みを強化していきます。データをマーケットプレイスに置いている企業にとっても、その利用を促進するために、こんなアプリケーションと組み合わせて利用すると効果的である、というアイデアが提示できる場にもなり、それが、日本のデータ利用を促進するきっかけにもなると考えています。
――データクラウドを支えるSnowgridの特徴を教えてください。
Snowgridは、ひとことでいえば、データをつなぎあわせることができる拠点です。データクラウドを実現するためのテクノロジーとなり、あらゆるデータを、コピーや移動をせずに、簡単に共有することができます。いままではデータを渡そうとすると、CSVなどのファイル形式に落とし、FTPで提供したり、つなぐためのAPIの開発が必要だったり、ETLで受け渡しをするということが必要でした。データ共有においては、これらの作業はマイナス面の方が大きいといえます。例えば、データの移動後には安全性が確保されなかったり、データへのアクセスに時間がかかったり、単一のクラウドやリージョンを超えて拡張する際の実装に関わる負担が大きかったり、といった課題があります。
Snowflakeでは、アクセス権を設定するだけで、ライブデータを共有でき、即座に展開でき、元のデータが更新されると、それが共有されるという仕組みを提供しています。ETLやコピーを使用せずにクラウドとリージョンの垣根を越えたコラボレーションを可能にし、堅牢なデータガバナンスによって、プライバシーを保護します。これがSnowgridの重要な特徴であり、これによって、データクラウドが実現されることになります。
日本では、AWSおよびAzureの東京リージョンに加えて、2022年夏からはAWSの大阪リージョンにもSnowgridを展開しています。いまはこの体制で問題ないと考えていますが、GCPについては、今後のお客さまのGCPへの活用状況を見ながら検討したいと思っています。
日本における取り組みは?
――日本におけるデータクラウドの普及に向けては、どんなことに取り組んでいきますか。
いまは、データクラウドは私たちが牽引していくフェーズにあります。データクラウドという新たな考え方を打ち出し、そのベネフィットを訴求し、ぜひ参加しませんか、というのが、Snowflakeのメッセージです。この動きが進むと、自然発生的に、イノベーティブなデータの組み合わせといった事例が生まれ、マーケットプレイスも品ぞろえが一定の数まで増えてくると、利用者が一気に増えるクリティカルマスを迎えるのではないかと思っています。そうすると、Snowflakeは、データクラウドのプラットフォーマーとしての役割がもっと強くなっていくでしょう。私たちはデータそのものを持っていません。データをお預かりし、プラットフォームの上で、活発にデータのやり取りが起こるような刺激策を展開していくことになります。
これまでの3年間で、Snowflakeの国内ユーザーは、300社以上になっていますが、これを10倍、20倍、30倍にしていきたいと考えています。Snowflakeを使っている人たちが増えてきたときに、取り組みたいデータのニーズも広がってくると思います。また、データを提供したいという人たちも増えてくると思います。そのために、マーケットプレイスの誘致を地道に進め、ユースケースの提供も増やしていきたいですね。
いまは、業界ごとに、データクラウドを推進していくことにしています。フィナンシャルデータクラウド、リテールデータクラウド、メディアデータクラウド、ヘルスケアデータクラウドといったように、特定の業界に必要とされているデータを集めて、業界の人たちが便利に使えるような姿を描いています。ただ、同じ業界でも、企業によって、ステージが異なるため、そこに対しては、Snowflakeからヒントを提供しながら、プランを提案していきます。
ただ、大切なのは、データクラウドの活用がゴールではなく、道具のひとつにすぎないという点です。企業がやりたいことは、収益の拡大や新たな顧客の獲得、新たな市場への展開です。それらの経営アジェンダを解決するための道具として、データクラウドを提案していきます。「経営アジェンダに対して、データクラウドが役に立つね」と言われることを目指したいですね。
――2023年2月からスタートする新年度は、日本において、どんな取り組みを進めますか。
日本法人の設立3年目までの成果という点では、強い手応えがあります。日本での高い成長を維持するとともに、さまざまなユースケースや、新たなユースケースを紹介していきたいですね。日本に根ざしていくという意味では、より陣容を拡大し、プリセールスやアフターセールスをしっかりと行えるようにしたり、設計コンサルティングチームにより、初期段階から一緒になって、Snowflakeの正しい使い方を提供していきたいと考えています。
新年度は、業界ごとのデータクラウドの展開を強化していきます。営業組織も業界ごとに強化し、業界のなかでの使われ方、業界のなかでのDXの進め方、そこで生まれたユースケースをほかのお客さまに展開していくことをやっていきたいですね。日本で多い製造/サプライチェーン、データ活用が進みやすい金融サービス、小売/消費財、あるいはヘルスケア/製薬、広告・メディアエンターテイメント、テクノロジー、官公庁・公的機関などが重点分野になっていきます。
また、2022年には、さまざまなサービスがそろってきたため、Snowflakeがリーチできるお客さまの数や、ユースケースの数が増加しています。Uni StoreやNative Applications、Pythonのサポート、マーケットプレイスの拡充といった新たな取り組みを含めると、解決できる課題の幅が広がっています。グローバルでは、Snowflakeがカバーできる市場機会は、2026年度には2480億ドルと想定されています。日本でも同様に市場機会は増えています。私たちの国内ユーザー数は300社強であり、まだまだ拡大の余地があり、むしろ、スタート地点に立ったところだという気持ちの方が強いですね。
日本の急速な成長にあわせて、本社からの投資も増加しています。本社から見ても、期待値が高い市場であり、Snowflakeのブランドを日本に広げるために、最大限の活動に取り組んでいきます。また、売り上げをあげるだけでなく、アウェアネスの向上、パートナーとのアライアンスの強化も重要です。日本のユニークな市場環境において、Snowflakeの存在感を高め、データクラウドという言葉が一般化し、揺るぎないリーディングカンパニーになることを目指します。