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勝者はOracle、Microsoftは後退? 総額5000億ドルの「Stargate」プロジェクト
2025年1月27日 11:11
存在感薄かったMicrosoft
「Stargate」という名前が初めて出たのは昨年3月のThe Informationの報道からだ。OpenAIとMicrosoftが、数百万のチップを搭載したスーパーコンピューターの計画を進めているというものだった。
関係者によると、プロジェクトには1000億ドルもの費用がかかる可能性があり、最大規模のデータセンターの100倍に上るという。Microsoftが資金調達を担う可能性が高いとした。
このStargateと今回発表されたプロジェクトとの関係の詳細は明らかではないが、同じものであればMicrosoftの位置が変化したことになる。ホワイトハウスの発表にはMicrosoftの姿はなく、同社は主要テクノロジーパートナーであるということ以外に言及されることもなかった。
当のMicrosoftは発表日の公式ブログで、「パートナーシップを維持しながらStargateで提携する」と説明。その中で、「双方向の収益配分契約に基づいて利用増加の恩恵を受ける」「Microsoftは引き続き主要投資家としてOpenAIに資金と能力を提供する」「OpenAIは新たに大規模なAzureの利用を約束した」など両社の関係が良好であることを強調している。
だが、CNBCはこの発表を「MicrosoftはOpenAIの計算能力の独占的プロバイダーとしての地位を失う」と評している。追加能力を必要とする場合の「優先交渉権を持つ」ものの、関係が変わったとの指摘だ。
The Next Platformは、「OpenAIがMicrosoft Azureに依存し続けるとは考えにくい」と状況を分析している。
「NVIDIAが85~90%の営業利益率を得て、さらにクラウド事業者がGPU容量販売時に65~70%程度の営業利益率を上乗せしていることを考えると、OpenAIはもはや賃借料を払いたいとは思わないだろう」。では何を狙っているのだろう――。
「Stargateは、少なくともOpenAIがAzureで購入する容量について、Microsoftがより有利な条件を引き出せるように設計されている。最終的には、OpenAIはStargateの投資家からの資金と、大手クラウド事業者よりも低い利益率で運営するため、徐々にテキサス州のStargateデータセンター、そして他の場所へと移行していくだろう」(The Next Platform)。