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もうひとつのDeepSeekショック 爆発的に進むオープンソースAI開発
2025年2月3日 11:20
DeepSeekショックが収まらない。中国のスタートアップがOpenAIの推論モデルに匹敵する基盤モデルを短期間・低コストで開発したというニュースが、NVIDIA株の暴落を引きおこし、米中AI覇権争いの議論、安全保障問題へと波紋を広げている。だが、DeepSeekの登場は、AI開発の面では大きなプラスのインパクトを与えている。とりわけ、オープンソース開発が活況を呈している。
「オープンソースモデルがプロプライエタリモデルを追い越している」
「『中国がAIで米国を凌駕している』と思う人々へ。その解釈は間違っている。正しくは『オープンソースモデルがプロプライエタリモデルを凌駕している』だ」。Metaのチーフサイエンティストで深層学習の重鎮の一人、Yann LeCun氏は、DeepSeekの発表を受けて、こうLinkedInに投稿した。
Metaは2023年7月、LLM(大規模言語モデル)「Llama2」をオープンで商利用可能なライセンス(Llama 2 Community License)でリリースしている。前バージョン「Llama」の「重み」流出事件から4カ月後のことだ。この移行はLeCun氏が主導したと言われており、同氏は、その後も折に触れ、オープンソースAI開発を主張している。
DeepSeekとオープンソースの強い関係については、AIに特化したベンチャーキャピタルAlpha Intelligence Capitalの創設者Antoine Blondeau氏も同意する。
「MetaのLlamaオープンソース開示がなければ、DeepSeekは存在しなかったろう。逆に、DeepSeek V-3とR1のモデル訓練方法論が検証されれば、米国のLLMプロバイダーはそれにならって、競争するだろう」(LinkedInへの投稿)と述べている。