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混迷を増すIntel Gelsinger氏の突然のCEO退任
2024年12月9日 11:20
ファウンドリ事業の扱いが焦点に
Gelsinger CEOの下でのIntelの数字は厳しい。2021年から2023年にかけ売上高は3割以上減り、今年10月の四半期決算では、同社史上最大の166億3900万ドルの損失(前四半期の10倍)を計上した。特に大幅な赤字を計上し続けているファウンドリ事業には、投資家から厳しい目が向けられている。
9月にファウンドリ事業を子会社化して切り離したことを発表したが、その際、約70億ドルの営業損失が明らかになった。8月には、ファウンドリ事業の問題を適切に開示しなかったため株価下落を招いたとして、株主訴訟まで起こされている。11月初めにはダウ平均株価から外された(代わりにNVIDIAが入った)。
The Vergeは、複数のアナリストの見解として、取締役会はファウンドリ事業の子会社化以上のことを考えているかもしれないと紹介している。つまり、事業を完全に切り離し、IntelをAMDのように設計のみのファブレス企業にしようということだ。New York Timesも、取締役会OBの間から会社を設計と製造に分割する声が出ていたことを伝えている。
しかし同時に、ファウンドリの分社化や売却は、彼らが考えるよりもはるかに難しいだろうと、The Vergeは指摘している。
Intelは、国のCHIPS法(半導体製造技術促進および科学法)に基づく補助金として、78億6000万ドルを受け取っているが、半導体工場をスピンオフする場合、50.1%の所有権または議決権を維持することが条件とされている。
取締役会は次期CEOを外部から招へいする考えだという。Bloombergによると、ヘッドハンティング会社のSpencer Stuartに人選を依頼。Marvell Technology会長兼CEOのMatt Murphy氏や、Cadence Design Systems CEOのLip-Bu Tan氏の名前があがっている。
ファウンドリ問題だけではない。Intel社内では、リストラや予算配分を巡って従業員の士気も低下しているという。誰が後を継ぐにしても、困難な道が待っているのは間違いない。