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生成AI商用化の波に乗るDell AIサーバー売上はかつてのVMwareに匹敵

生成AIの商用化が活発に

 DellのAI戦略はNVIDIAとの提携だ。Dellは3月、NVIDIAのイベントで「Dell AI Factory with NVIDIA」を発表した。前年にNVIDIAと提携して発表した「Project Helix」を土台にしたもので、DellのハードウェアとNVIDIAのハードウェアとソフトウェアを組み合わせる。5月には、PCなどのデバイスも含むAIポートフォリオとして「Dell AI Factory」を打ち出した。

 現在の生成AI投資ブームは2年目に入るが、Dellの決算を詳細に分析したThe Next Platformは、これからが本番だと見る。

 「ハイパースケーラーやクラウドビルダー、一部の国の高性能コンピューティングセンターによりGPUアクセラレータの入手が難しかったため、これまでDellなどベンダーは生成AIで大きな役割を担うことができなかった」と振り返りながら、「(現在は)Tier2のサービスプロバイダーやクラウド事業者、それに大企業などを対象に、生成AIの商用化が始まった兆しが見てとれる」と分析している。

 Clarke氏は投資家向け電話会議で、「まだ初期段階に過ぎない。全ての大型AI案件で競争し、大規模なデプロイを獲得している」と述べた。

 その一例と言えるのがxAIだ。Dellは6月、Elon Musk氏が立ち上げたAIスタートアップxAIにAIサーバーを供給することを明らかにしている。CEOを務めるMichael Dell氏は当時、xAIの生成AI「Grok」を動かすDell AI FactoryをNVIDIAとともに構築している、とXに投稿した。

 Clarke氏はAI向けハードウェアとサービスのTAM(Total Addressable Market:対応可能な全体の市場規模)は1520億ドルから1740億ドルに増加しており、今後数年にわたって年平均成長率22%で成長すると述べたという。

 また9月にはRed Hat(米IBM傘下)との提携を発表。提携の下で、Red HatのAIに特化したサーバーOS「Red Hat Enterprise Linux AI(RHEL AI)」を自社のPowerEdgeサーバーに搭載する。AIワークロード向けに検証済みのプラットフォームであり、IBMのLLM「IBM Granite」にもアクセスできるという。

 ただし、Dellの成長は痛みを伴っている。