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成長するクラウドインフラ市場でOracleが伸長 “レガシーの逆襲”

 世界の景気に不透明さが増す中、クラウドは2ケタ増の成長を続けている。その中で、OracleがIBMを抜いて5位に浮上した。既存顧客という基盤を生かし独自のアプローチでトップ3の牙城に挑んだ結果と言えるが、それでもトップ集団にはなお水を空けられている。新しい流れを作ることができるのだろうか――。

IBMを超えたOracle、それでも3位Googleとは5倍の開き

 Synergy Groupは8月1日、クラウドインフラサービス市場シェア調査の最新版を発表した。IaaS、PaaSなどへの企業支出の合計で、四半期ごとに発表している。2024年第2四半期(4~6月期)の総額は前年同期比22%増の790億ドルとなり、2023年第4四半期から3四半期連続で前年同期比20%以上の伸び率を維持した。

 クラウドの底堅い成長を裏付けた数字だが、ちょっとした異変があった。上位3社はAmazon、Microsoft、Googleの3社で変わらずだが、5位の順位が入れ替わったのだ。IBMがOracleにその座を譲り、Oracleは4位Alibabaに次ぐ5位。Salesforceとタイになった。

 トップ3のシェアは上からAmazon(32%)、Microsoft(23%)、Google(12%)、3社でほぼ3分の2を占める。続く「第2層」の中でも、特にOracle、Huawei、Snowflake、MongoDBの前年度比成長率が高いという。

 Synergyは「Oracleは5位となり、その他ベンダーと差を付けつつある」と述べている。その一方で「上位3社との開きは依然として大きい」とも言い、「(3位の)GoogleはOracleの約5倍、そのGoogleより約3倍大きいのが(トップの)Amazonだ」とまとめている。