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「iPhone以来の熱狂」 プラットフォーム戦略打ち出すOpenAI

人格AIの開発競争

 チャットボットのカスタマイズは、AIに“人格”を与えることでもある。こうして「誰もが自分好みのAIアシスタントを持つ世界」を目指しているのは、OpenAIだけではない。

 The Vergeは、Character.AI、Metaとの競合を指摘する。元Googleの研究者が立ち上げたCharacter.AIはサービス名が示すようにキャラクターとやりとりできるチャットサービスで、Elon Musk氏、スーパーマリオなどのAIキャラクターが並ぶ。ほかにも、旅行計画、ブレスト、面接練習などの用途に特化したチャットボットもある。

 Metaも9月に「Meta AI」として、InstagramやMessengerなどのサービスを通じて、著名人のキャラクターと対話できるLlama 2ベースのサービスを発表している。

 GPT Storeで公開されるGPTの管理やガバナンスが懸念点となるが、The Vergeによると、作成者の本人確認ができたエージェントのみを受け付けるなどの対策を講じるようだ。

 The Vergeは「最終的にOpenAIが目指すのはAGI(汎用人工知能)の創造だ。自社のGPTプラットフォームをこれに向けて一歩進めた」と分析する。

 競争といえば、OpenAIを切り札にクラウドにおけるAI競争を優位に進めるMicrosoftも動いた。MicrosoftのSatya Nadella氏自らが登場してAltman氏と共にステージに立ち、Azure Open AI ServiceでGPT-4 Turboの提供を年内に開始することなどを発表した。

 さらにGPTsなどのエコシステムについては11月15日から開催する自社イベント「Microsoft Ignite」でもテーマの1つにする、というアピールぶりだ。

 OpenAIにいち早く出資して生成AIで先んじたMicrosoftだが、その後Google CloudとAmazonがAnthropicに投資し、OracleがCohereに投資するなど、競争の下地が急ピッチで形成されつつある。まだ今後の展開を予想するのは難しい。

 先行するOpenAIは大幅な赤字が続いているが、さらなる資金を必要としている。同社は9月、既存の従業員保有株を860億ドルで売却する方向で検討中と報じられた。AI競争は資金力の戦いの様相も見せている。