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RHEL互換ディストリビューションめぐる波乱 CentOS終了から止まず

 Red Hat(IBM傘下)が6月にRed Hat Enterprise Linux(RHEL)の方針を変更し、混乱が続いている。ソースコードの提供方法を大きく変えることから、オープンソースコミュニティで議論がわき起こり、特に「完全互換」のクローンは対応を模索している。そうした中での最新の動きが、SUSEの発表だ。

SUSEが1000万ドルを投じてRHEL互換ディトリビューション開発

 SUSEは7月11日、一般公開されているRed Hat Enterprise Linux(RHEL)互換で、誰もが無制限で利用できるディストリビューションを開発・保守すると発表した。

 合わせて、RHELフォークに数年間で1000万ドル以上を投資することも明らかにした。プロジェクトはオープンソース財団に寄贈して、代替ソースコードへの継続的な無償アクセスを提供する予定としている。

 「何十年もの間、コラボレーションと成功の共有がオープンソースコミュニティの構成要素でした。私たちには、これらの価値を守る責任があります」とCEOのDirk-Peter van Leeuwen氏は発表で述べている。

 SUSEは、RHEL競合と位置付けられる有償の「SUSE Linux Enterprise Server(SLES)」と、無償の「openSUSE」を持っており、新たに開発するRHEL互換ディストリビューションが加わる。

 同社は昨年、SLES、RHEL、CentOSの3ディストリビューションをワンストップでサポートするプログラム「SUSE Liberty Linux」を発表しており、あわせて提供してゆくことになる。

 SUSEがこの発表をするきっかけとなったのは、Red Hatの方針変更だ。