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Teslaがロボットを披露 評価となお残る疑問

「自動車よりも安価」な2万ドル

 Optimusに好意的な意見も多いが、目標を達成するのが至難の業であることは間違いない。「大量生産して2万ドルで販売するヒューマノイド型ロボット」は、今の時点ではほとんど“夢物語”のようなものに聞こえる。

 評判の悪かった運動性能について、9to5グループの交通運輸業界メディアElectrekは「TeslaはBoston Dynamicsのような俊敏なロボットではなく、コストを抑え、大規模生産が可能なロボットを作ろうとしている」と理解を示しながらも、価格の実現性には疑問を投げかける。

 比較の対象にされたBoston DynamicsのAtlasに値段をつけたらいくらになるかを考えれば、2万ドルよりもはるかに高価なはずだ、とする。同社のシンプルな犬型ロボット「Spot」でさえ、7万4500ドルだ。

 もっとOptimusに近い例もある。中国Xiaomiが8月に発表したヒューマノイド型ロボット「CyberOne」は、明らかにTeslaの影響を受けており、黒白ツートンカラーのよく似たデザインだ。ただし、その二足歩行はOptimusのプロトタイプよりも、もっとぎこちなく、まるでおもちゃのように見える。手もOptimusのような人間そっくりの五本指ではなく単純なハサミ型だ。が、それでも価格は60万~70万元(8万4000~9万8000ドル)するという。「2万ドル」がいかに挑戦的な設定であるかがわかる。

 Musk氏は「運転支援システムで培ったオートパイロット能力と、自動車製造から学んだ製造コスト削減」で、量産と低価格を実現すると説明するが、どこまで可能なのかは、全く未知数だ。

 すべてを難しくしているのはヒューマノイド型ロボットであることだが、Musk氏は、なぜ人型でなければならないかについて明確には説明していないという。