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サーバー増設が追いつかない クラウドの容量が不足

クラウド需要と見通し

 この状況はいつまで続くのだろうか。台湾の調査会社TrendForceは、激しい逼迫状態は、このあと、少なくとも一時的には緩和されると予想している。

 同社の分析では現在、サーバー市場は注文が大量に積み上がった状態だという。米国の4大サーバー購入者(AWS、Microsoft、Google、Meta)が、「デバイス全体を出荷できなくなるような事態を避けるため、注文と在庫を増やし」、これを受けて、サーバー市場の、ユーザーから製造までの全段階で注文過剰になっているためだ。

 4大購入者は、いまのところ発注量を減らす気配を見せてはいないが、TrendForceはいずれ調整が行われるとみている。

 また、中国のサーバー購入者であるBaidu、Alibaba、Tencentは、すでにサーバー仕入れ計画を調整しており、2022年の調達規模は縮小しているという。中国政府が昨年、CO2大幅削減のエネルギー政策を発表したこと、インターネットビジネスへの統制を強化していることを受けたものだ。

 とはいえ、中期的にはクラウド需要は依然、増え続けている。

 Synergy Research Groupが6月下旬に発表した「パブリッククラウドサービスおよびインフラ市場」のレポートでは、2022年第1四半期の主要事業者およびベンダーの売上高は1260億ドル(前年同期比26%増)。世界経済が不安定な中でも、強い伸びを維持している。

 レポートは「パブリッククラウド関連市場はPaaSとIaaSがけん引役となって年率15%から40%で成長している。今後5年間は、市場の巨大化に伴う鈍化は避けられないが、なお年間成長率は10%から30%の範囲になるだろう」とする。

 そして、この需要に対応するため、「大手クラウドプロバイダーはこれまで以上に大規模なハイパースケールデータセンターと計算能力を必要とし、それがデータセンターのハードウェアとソフトウェアの市場をけん引する」という。