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Oracle JDK無償化にJavaOne復活 OracleのJava戦略

有償にしたOracle JDKを再び無償に

 OracleのJava施策の最初の転機はJDKの有償化だった。「Oracle JDK」(Oracleが提供するJavaソフトウェア開発キット)のLTS版を有償にする計画を2017年に発表した。

 そして2018年に登場した「Java SE 11」でサブスクリプション制を導入。ユーザーまたはCPU単位での課金を開始した。

 また同年、OracleはJava開発者の年次イベント「Java One」を終了し、「Oracle Code One」に変更した。

 JavaOneは1996年のJava公開から毎年開催されてきたJava一色の最重要イベントだった。しかし、Oracle Code Oneは、Java以外にもGo、Rust、Python、JavaScript、Rなどのセッションも用意し、Javaは格下げされたように見えた。

 そしてJava開発者たちは、Oracleが行ったさまざまな変更を快く思わなかったようだ。Javaの使い勝手が悪くなったためだ。

 商用のOracle JDKが有償化される一方、開発キットのOpenJDKは引き続き無料で提供されたのだが、6カ月というサポート期間は運用に利用するには短すぎた。また、最新のJavaがリリースされると旧バージョンのアップデートが終了する。しかも、OpenJDKは当初、LTSを設けていなかった。

 同じころ、プログラミング市場でのJavaの位置付けも変化した。Javaは長年、開発者に最も人気のプログラミング言語として君臨してきた。ところが、2021年10月、オランダTIOBE Softwareのプログラミング言語人気度ランキングでPythonに首位の座を奪われている。

 Oracle JDKを無償に戻すという発表は、こうした流れの中で行われた。2021年9月のOracle JDK 17からの無償化にあわせて、新たなライセンス「Oracle No-Fee Terms and Conditions」(NFTC)が導入され、商用や本番環境でも無料で利用できるようになった。

 LTSもNFTCライセンスで配布し、次のLTSが公開されたあとも、最低でも1年間提供する方針を明らかにしている。Java SEについては、サブスクリプションを通じて高度な機能を提供するという。