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企業顧客への浸透進む 勢いつけるGoogle Cloud

技術ソリューションからビジネスソリューションへ

 Google Cloudは大きく成長しているが、まだまだ先頭集団に追いつくには十分とは言えないようだ。

 IDCのインフラ分野担当バイスプレジデント、Dave McCarthy氏は「Google Cloudは順調だが、まだメッセージをしっかり届ける必要がある。大企業と話をすると、なおAWSとAzureが出てくるのが現状だ」とSiliconANGLEに語っている。

 一方、Google Cloudの事業戦略を分析したDiginomicaは「純粋なIaaS契約を勝ち取ることがGoogle Cloudのフォーカスではない」と分析する。AWSとAzureと戦うにあたって、Googleは真っ向から対抗するのではなく、企業が抱える複雑な問題を一緒に解決するアプローチをとっているというのだ。

 Diginomicaは「技術ソリューションではなく、ビジネス上のソリューションを提供する」(Rob Enslin氏)という言葉を挙げている。

 今回のGoogle Cloud Nextでも、データクラウドを強調しており、「BigQuery Omni」の提供開始などが発表された。IaaSよりも上のスタックを充実させることで、提供できる価値はさらに高くなる。Diginomicaは、このようなアプローチを「スイートスポット(最適打球点)」と評価する。

 また、別の角度から企業顧客にアピールするのが、「環境・持続性」対応ソリューションだ。今回、環境への影響を測定するツールとして「Google Cloud Carbon Footprint」を発表。また、CO2排出を削減する「Active Assist Recommender」といったサービスを加えた。SDGsへの対応を迫られる企業にはポイントとなりそうだ。

 一方、Googleの“看板”であるオープンソースは企業向けには必ずしも武器にならないという。

 同社はこれまで、2000以上のオープンソースプロジェクトを育て、昨年11月に「オープンクラウド」ビジョンを打ち出している。

 だが、Gartnerのアナリスト、Craig Lowery氏は「顧客はプロプライエタリな機能も重視している」と述べ、「オープンソースは重要だが、決定打ではない」とSiliconANGLEにコメントしている。