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DevOpsの波に乗って大型IPO リポジトリ管理のGitLab

 GitLabがIPO(新規株式公開)を果たした。開発者が連携しながら迅速にソフトウェア開発を行うDevOpsツールを提供する企業で、GitHubと競合関係にある。公開最初の週には、MicrosoftがGitHubを買収した額(75億ドル)の2倍以上の市場評価額を記録するなど、幸先のよいスタートを切った。だが、課題も多く待ち構えている。

IPO第一週の評価額は170億ドル超え

 GitLabは、Linus Torvalds氏が考案したバージョン管理システム「Git」をベースとする開発者向けツールを提供している。Gitリポジトリ・ホスティングを中心に、継続的インテグレーション(CI)、継続的デリバリー(CD)などの機能を追加し、DevOpsツールとしての地位を築いた。

 オープンソースを基盤としており、無償のコミュニティ版と、高度な機能を備えるエンタープライズ版(有償サブスクリプション)を用意している。ライバルとしては、GitHubのほか、AtlassianのBitBucketがある。

 10月14日のNasdaq上場初日は、77ドルで売り出し、前の週の予想価格レンジ(55~60ドル)を上回った。株価は翌日には115ドルとなり、22日には最高値の120.03ドルをつけて週末を迎えた。時価総額は172億2800万ドルとなる計算だ。

 GitLabの共同創業者兼CEOのSid Sidbrandij氏は同日、「創業者からの書簡」を公開。自社の将来性について、世界に4000万人以上と言われるソフトウェア開発者が現在の変化を動かしており、DevOpsはそれをさらに加速させるツールとして選ばれている、と説明した。

 GitLabの創業は2011年で、ウクライナ出身のDmitriy Zaporozhets氏が開発したシフトウェアを、オランダのSid Sidbrandij氏がニュースサイトで見つけ、共同創業した。

 ウクライナとオランダで始まったこともあり、オフィスを持たない企業としても知られる。世界65カ国に1350人いるという従業員は、コロナ以前からリモートで働いてきた。IPOの目論見書には、「住所:該当なし」とある。