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企業顧客への浸透進む 勢いつけるGoogle Cloud

 Google Cloudの年次イベント「Google Cloud Next '21」が開催された。同社が今回、打ち出した柱は「Data」「Open」「Collaboration」「Trusted」の4つ。多くの製品を投入したが、注目すべきは、そのパートナー戦略だろう。Thomas Kurian氏がトップに就任してまもなく3年。その戦略が実を結びつつあるとの評価も出ている。

パートナー戦略が形に

 Apache Sparkのフルマネージドサービス「Spark on Google Cloud」や、データサイエンティスト向けの「Vertex AI Workbench」など、広範囲にわたる新製品の中で、注目は分散型クラウドの「Google Distributed Cloud」だろう。

 Google Distributed Cloudは、ハイブリッド・マルチクラウド環境対応の管理プラットフォーム「Anthos」をベースとする製品で、オンプレミスの「Hosted」とエッジの「Edge」の2つで構成される。

 データをローカルで処理できるため安全性、低遅延などのメリットがあり、Edgeは特に通信事業者をターゲットとしている。5Gで進む、インフラの刷新の需要を念頭に置いているようだ。

 特徴的なのは、ソフトウェアとハードウェアをセットで提供することだ。パートナーのハードウェア上でGoogleのソフトウェアを動作させ、Cisco Systems、Dell Technologies、HPE、NetAppなどをハードウェアのパートナーとしてスタートする。

 今回のGoogle Cloud Nextでは、同社のパートナー戦略が実を結びつつあることがうかがわれる。

 SiliconANGLEは、パートナー、顧客と数十社に取材をした特別レポートで「Google Cloudの勢い(momentum)は本物だ」と言う。「複数のクラウドを活用し、ワークロードの移植性を持ちたいという顧客と、Google Cloudのメッセージは共鳴している」

 また、パートナー企業のDatabricksの担当者は「数、頻度、幅の面で、GCP(Google Cloud Platform)で動かしたいという企業が増えている」とSiliconANGLEに語っている。