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企業顧客への浸透進む 勢いつけるGoogle Cloud

転機はKurian氏のCEO就任

 Google Cloudは企業向けIaaSの顧客獲得競争に遅れて参加した。だが、AWSやMicrosoft Azureが独占する市場に挑戦し、昨年、成長率では、ライバルを上回るほどになった。

 一つの転機が、2019年はじめのThomas Kurian氏のクラウド部門最高責任者への就任だ。前年の2018年、Googleはクラウド事業からの撤退さえ検討したと報じられている。共同創業者のLarry Page氏が撤退を提案したが、Sundar Pichai氏らが説得して事業継続に至ったという。

 それまでのGoogle Cloudに対する評価は、あまり高いものとは言えなかった。SiliconANGLEは「(Googleは)長年、傲慢で、企業顧客のニーズから遠いという大方の認識と戦ってきた」と振り返っている。

 こうして崖っぷちにいたGoogle Cloudだが、Kurian氏がDiane Green氏の後を継いでトップに就任したあと、SAPで長年幹部を務めたRob Enslin氏(グローバルカスタマーオペレーション担当として参加)や、Microsoftのベテランらも加わり、企業向けビジネスのための布陣が整った。

 そうしてクラウドに本腰を入れた成果が見え始めたというのが、現在の段階だと言える。Diginomicaは「信頼性が増した」として、Google Cloudがその後、HSBC、Capital Oneなどの金融系、通信のVodafoneなどの顧客を獲得したことを指摘している。