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激震の最中に追い打ちの惨事 Facebookの大規模障害
2021年10月11日 11:19
Facebookと傘下のInstagram、WhatsApp、Messenger各サービスが10月4日、6時間以上ダウンした。世界35億人が使うソーシャルネットワーク大手は、独禁当局および議会の厳しい調査を受けている。その最中に起こった大規模障害は、同社がいかに巨大で、社会・経済に影響を持っていることを示した。結果として、ますます厳しい目が向けられることになりそうだ。
インターネットからFacebookが消えた
障害発生は4日(米国東部時間)月曜日の午前11時半ごろ、日本時間では5日未明だった。接続できない状態は全世界に広がり、平日昼間だった国では人々の日常に、より大きな影響が出た。
ソーシャルサービスはプライベートだけではなく、仕事のツールとしても定着している。WhatsAppは欧米では日本のLINEのような位置にあり、個人間だけでなく、ショップと顧客のやりとりにもよく使われている。また、Facebookログオンを利用して別のサービスを使うユーザーもいる。サービスに突然アクセスできなくなったことで、障害報告窓口のDowndetectorには、過去最大の106万件の報告が殺到したという。
Facebookは障害の原因を社内設定の操作ミスと発表している。インフラ担当バイスプレジデントのSantosh Janardhan氏は発生当日と翌日に自社ブログで、定期メンテナンス中に実施したバックボーンのルーターの設定変更が、社内のツールとシステムに影響を与えた、と述べている。
ルーターはデータセンター間のトラフィックを調整しており、その設定変更がBGP(Border Gateway Protocol、経路制御プロトコル)を停止させ、データセンターの通信に波及的に影響を与えたという説明だ。
同時にFacebook社内でも、電子メールやビジネスコミュニケーションツール「Workplace」が使えなくなった。BBCによると、社員証の認証ができず、従業員がオフィスに入れないという事態も発生した。
皮肉なのは、強固なセキュリティ対策が復旧作業の足かせになったことだ。Janardhan氏は、障害対応に出動したシステム担当者がデータセンターに入れなかったこと、ハードウェアやルーターの修正が簡単にはできない仕組みであったことも報告している。
さらに8日午後にも、約30分の障害が発生した。やはり設定変更によるものだったが、4日のダウンとは関係はないと同社は説明している。