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Facebookに暴露記事の猛攻 報道対応に変化も

 Facebookが窮地に追い込まれている。Wall Street Journalの一連の調査報道で隠蔽体質を指摘され、「オンラインで最も透明性の高いプラットフォーム」としてきた同社の主張が大きく揺らいでいるのだ。巨大すぎるSNS企業として解体までが議論される中、立場はさらに苦しくなってゆく。同社の報道対応にも変化が出ているようだ。

WSJの調査報道が火を噴く

 「Facebookは、自社のプラットフォームに、多くの有害な欠陥があることを詳細に知っている。これらは多くの場合、同社だけが完全に理解してるいものだ」。Wall Street Journalはこういう前書きで始まる一連の調査記事「The Facebook Files」を9月中旬から相次いで公開している。

 まず、9月13日付で、「重要人物には一般のユーザーとは異なる特別ルールを適用している」と伝えた。「XCheck」と呼ばれるシステムで、著名人などを「ホワイトリスト」で別扱いにし、規定に反したり、ファクトチェックで誤りと判定された投稿も容認していたという。

 また、14日付では、傘下のInstagramが特に10代の少女たちのメンタルヘルスに悪影響があることを内部調査で把握していたと暴露。議会から調査の提出を求められたにもかかわらず、公表せず、隠したと指摘した。

 さらに15日、アルゴリズムの変更がユーザーの怒りを増幅させるような結果をもたらしていることを確認しながら改善しなかった報じた。調査担当者が「不健全な副作用」として警告したが、厳重な秘密事項にして対応しなかったという。

 17日には、Facebookのプラットフォームが発展途上国の麻薬や人身売買などの非合法組織に利用されていることを内部調査で認識していたと報じている。

 いずれもFacebookの膨大な社内資料を閲覧し、従業員からの取材をへて記事化した。以前から疑惑になっていた点も含まれており、大きなインパクトを与えた。