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15周年を迎えたAWS 引き続き「EC2」が稼ぎ頭

遅延解消へのあくなき追求

 IDCによると、2020年の世界のクラウド市場規模は前年比24.1%増の3120億ドル。コロナ禍という要因も押し上げた。成長率ではIaaS(前年比33.9%増)が最も高く、PaaS(前年比31.8%増)が続く。

 SaaSを除くIaaS、PaaS、そしてシステムインフラソフトウェア(SI SaaS)を合わせたベンダー別シェアでは、AWSが24.1%で、2位のMicrosoft(16.6%)をなお大きく引き離している。EC2などのIaaSは引き続きAWSにとって最重要ビジネスと言える。

 Next Platformは、Brown氏の話からEC2の次の成長計画を描いているが、その課題は、引き続きレイテンシーだという。

 「M1 Small」から始まったEC2のインスタンスは現在、400種類にのぼる。規模に関係なく、全てのユーザーに最適な環境を提供し、ワークロードのニーズを予測できるようにするためだ。

 クラウドを取り巻く環境では既に「次のワークロード」として、自動運転車、クラウドゲーミング、IoTデバイスなどの用途で必要となる処理、リアルタイムの機械学習などに向けた作業が始まっている。

 その中で、低遅延への要求はますます強くなってゆく。AWSは、昨年導入した「Graviton 2」のような独自プロセッサーを活用。ネットワークやストレージなども含めたカスタムハードウェアによる対応を進めている。同時に競争上の優位を維持するため、IntelとAMDのハードウェアも併存させる考えだという。

 「全てをGravitonに移行させるのではなく、顧客が使いたいと思うプラットフォームをサポートすることが大事だ」とBrown氏は述べている。