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15周年を迎えたAWS 引き続き「EC2」が稼ぎ頭

数十億ドルの利益の中心はEC2

 現在のAWSは、EC2のコンピューティングなど30近いカテゴリで計約200のサービスを提供する。毎年、新たに100以上のサービスを発表する一方で、使われないサービスはどんどん消えていく。

 サービス別の売上額は公表されていないが、CNBCはアナリストや顧客の話を元に、AWSの収益構造を分析している。

 稼ぎ頭はAWSを代表するサービスであるEC2だ。Duckbill Groupの「最高クラウドエコノミスト」としてAWSコスト削減を指南するCorey Quinn氏は、EC2がAWS全体の売り上げの半分以上を占めるとみている。

 また、EC2、ブロックストレージの「Elastic Block Store(EBS)」と「Simple Storage Service(S3)」、そしてデータベース「Relational Database Service(RDS)」の4種類のサービス、そしてデータ転送費を合わせると、売り上げ全体の70%になるだろうという。

 Bernsteinのアナリストは2019年のAWS全体の売り上げ総利益率(粗利率)は実に61%に達していると推定する。黒字化未達成のGoogle Cloudや、やっと黒字化したと言われるAlibabaとは対照的だ。

 CNBCは主力サービス別の売り上げ総利益率も紹介している。それによると、EC2は「50%台半ば」(Quinn氏の予測)。S3は「70%以上」(クラウドストレージプロバイダーWasabiのDavid Friend氏)および「50%台前半」(William BlairのパートナーBhavan Suri氏)。EBSは「60%~70%の間」(Suri氏)――などだ。

 これらに加え、AWS上に構築したソリューションをISVなどが提供できる「AWS Marketplace」の事業も育っている。UBSのアナリストによると、AWS Marketplaceの掲載料金は平均で5%程度。売り上げ高営業利益率は「AWS全体を最大30%上回るレベル」とみている。