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15周年を迎えたAWS 引き続き「EC2」が稼ぎ頭

 サービス開始から15年。Amazon Web Services(AWS)は、クラウドの世界で圧倒的な存在感を持ち続けている。Eコマース中心だったAmazonの方向性にも大きな影響を与えたAWSがその名を確立したのはEC2(Amazon Elastic Compute Cloud)によってだ。その初期の模様や、AWSの収益分析のレポートが最近、伝えられた。

AWS15周年、想像もできなかった成長

 AWSが公開されたのは2006年7月。元々はAmazonにITインフラを提供する部門だったのが、そのインフラとノウハウを外部に提供することで始まった。以来、パブリッククラウドでは圧倒的なリードを見せつけ、15年間トップに君臨している。

 EC2を設計し、現在、担当バイスプレジデントのDave Brown氏ですら、現在の姿は予想できなかったようだ。Brown氏はNext Platformのインタビューで当時を振り返っている。

 2007年、EC2チームのオフィスがあった南ア・ケープタウンをAmazonの幹部が訪れ、「君たちは、いつか10億ドル規模になるビジネスのために働くのだ」と告げた。幹部が誰だったかは言及していない。

 この時、Brown氏は、笑い話だと思ったという。しかし、その後の歴史は幹部の予想が正しかったことを証明している。AWSの売り上げは500億ドルをはるかに超える規模に成長した。

 当初、AWSサービス展開の上で、重要な課題となったのは、遅延(レイテンシー)の問題だったという。Brown氏は「当時、最も近いAmazonリージョンから300ms離れていたため、EC2に入力するキーストロークにはすべて往復の時間がかかっていた」「最初のスタートアップがEC2を利用するようになったころ、オーケストレーション重視からパフォーマンス重視に変わった」と証言している。

 その後、AWSはXenハイパーバイザーを用いながらスマートオフロード技術などの最適化を図り、2010年には遅延をベアメタルのレベルまで短縮した。

 AmazonにとってAWSが重要であることは、Jeff Bezos氏の後継者として、AWSを率いるAndy Jassy氏が選ばれたことからもうかがわれる。