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Whitehurst氏の突然の退任 IBMの今後を懸念する声も

CEOとしてやっていきたい

 Whitehurst氏の本心はどうなのだろう――。ほとんど当人の言葉が出てない中、Barron'sは、退任発表後に行った同氏へのインタビューを伝えている。

 その中でWhitehurst氏は「もう一度CEOとしてやりたいが、IBMでは実現しそうにない」と語っている。根拠として、Whitehurst氏は、54歳と言う自身の年齢が59歳のKrishna氏に近いことを挙げている。

 Barron's、Wall Street Journalなど多くは、Rometty氏のCEO退任時に、Whitehurst氏がCEOと目されていたにもかかわらず、取締役会はKrishna氏を選んだと伝えている。

 Barron'sは「実際、IBMはKrishna氏をCEOに任命時に(プレジデント職を設けることで)Whitehurst氏の出発の基盤を整えた」「IBMは、プレジデント任命でWhitehurst氏の価値を称えたが、トップの地位ではなかった」と解説している。

 Whitehurst氏はシニアアドバイザーとしてIBMに残るとは言うものの、実質的には次に向けて動き始めているとみて間違いなさそうだ。「家族との時間を過ごすため、しばらく休暇を取ってから、次の行動を決めるつもりだ」と述べている。テクノロジーに詳しいCEOを求める産業から多く誘いがあり、ベンチャーキャピタルなどの金融も選択肢に入っているようだ。

 またWhitehurst氏はRed Hatとの「決断はほろ苦い」「Red Hatは、12年かけてつくってきた自分の子供のようなもの」と心情を吐露している。

 Whitehurst氏は自身のツイッターでも退任については口をつぐんでいるが、退任発表の前日7月1日付で、意味深なコメントを動画で発信している。「Prioritize quickly」(素早く優先順位をつける)というタイトルで、次のように語っている。

 「企業はたくさんのことをやろうとするが、必ずしもフォーカスしていない」「イノベーションにおいて重要なパーツは、“学ぼう”“実験しよう”“素晴らしいアイデアを持とう”ではなく、“この中のどれにフォーカスして実行するのか”を決めようとする意思と勇気の両方だ」

 Whitehurst氏のいらだちが表れているようにも見える。